一関学院 岩手“2強超え”10年ぶりV!大会無失点の小綿 救援で見事な「火消し」6回零封

[ 2020年7月27日 05:30 ]

岩手代替大会決勝   一関学院4―1盛岡大付 ( 2020年7月26日 )

<一関学院・盛岡大付>優勝し喜ぶ小綿(右から2人目)ら一関学院ナイン(代表撮影)
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 都道府県高野連が独自に開催する代替大会は26日、全国で156試合が行われた。岩手では決勝が行われ、一関学院が盛岡大付を4―1で下して優勝。4回から救援した小綿大斗投手(3年)が6回を無失点に抑えた。10年ぶりに岩手の頂点に立った一関学院は、東北各県の代替大会で優勝した代表校計6校による独自の東北大会(8月9~11日、宮城県)に出場する。また、南北北海道大会の出場校が出そろった。

 背番号「10」の小綿が自らの将来を映し出すような見事な火消しを見せた。10年ぶりの歓喜の輪だった。

 「岩手一になれてうれしい。甲子園はないけれど、やってきたことを証明したかった」

 小綿は2点リードの4回から先発の菊池悠(3年)を救援した。「みんなのためになる仕事。格好いいです」と、火事場から人々を救援する消防士に憧れる横手投げ右腕は、盛岡大付の強力打線を緩急で翻弄(ほんろう)。最速135キロの直球に、110キロ台のスライダー、最遅93キロのカーブで、凡打の山を築いた。18アウト中、半分の9つの飛球を打たせ、反撃を許さなかった。

 「先発よりも投げやすい」と高橋滋監督に志願し救援を務める。この日も「菊池が1点取られていたので、エースよりもいいピッチングをしよう」と気合を込め、6回2安打無失点に抑えた。県大会は計18回2/3で、自責点0。防御率0・00と抜群の安定感だった。

 10年前に一関学院が優勝して以降、岩手の夏は花巻東が5度、盛岡大付が4度優勝と2強の時代だった。その間、盛岡大付には3度敗れており、「2強を倒さないと頂点に立てないと思っていた。価値ある優勝」と高橋監督も目を細めた。

 小綿は腰の故障で4月から5月にかけて投げられない日々が続いたが、なんとか最後の晴れ舞台に間に合わせた。消防士の夢を追い、野球をするのは今夏が最後だ。「結束力があってとてもいいチーム。(8月の)東北大会でも緩急をつけて打ち取りたい」。熱い気持ちは、最後まで消さない。(花里 雄太)

 ◆小綿 大斗(こわた・だいと)2002年(平14)4月19日生まれ、岩手県盛岡市出身の18歳。小学2年から渋民野球スポーツ少年団で野球を始め、中学時代は盛岡姫神リトルシニアでプレーした。一関学院では2年夏からベンチ入り。1メートル72、71キロ。右投げ右打ち。

 ▽一関学院 1938年(昭13)、一関夜間中学校として創立。01年から現校名。一関商工時代を含め春夏8度の甲子園出場。主なOBに元中日、ダイエー投手で現在ソフトバンクのデータ分析を担当する高島覚氏らがいる。所在地は岩手県一関市八幡町5の24。佐伯幸雄校長。

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