広島商・高井 4球団の前で8回ノーノ― 長身左腕、最速138キロも14奪三振

[ 2020年7月27日 05:30 ]

広島大会4回戦   広島商4-0熊野 ( 2020年7月26日    広島県営 )

<熊野・広島商>熊野打線から毎回の14三振を奪い、8回参考記録ながらノーヒットノーランを達成した広島商のエース左腕・高井駿丞(3年)
Photo By スポニチ

 都道府県高野連が開催する独自代替大会は26日、広島、大阪、兵庫など36大会157試合が行われた。広島では広島商・高井駿丞投手(3年)が8回参考記録ながらノーヒットノーランを達成した。

 ベンチから9回表のマウンドに向かおうとしたところで審判団から試合終了を告げられた。広島商の長身左腕・高井がけげんそうな顔であいさつの列に並ぶ。自身初のノーヒットノーランは意外な形で参考記録となった。

 「まだ、時間があると思ってました。もうちょっと投げたかったですね」。広島県高野連は新型コロナウイルス対策として2時間を超えて新しい回に入らない独自規則を定めている。超過時間は1分。熊野打線から毎回の14三振を奪い、許した走者は四球と失策の2人だけ。外野への打球はわずか1度という高井の快投は8回82球で強制終了となった。

 次戦の準々決勝以降はこの“2時間制”が取り払われる。この日は長い回の登板が必須となる終盤戦に備え、打たせて取る省エネ投法を心掛けた。八分程度の投球により最速138キロと球速は抑えられたが、球のキレと制球力は増した。

 「球に角度があるし、変化球でいつでもストライクが取れるけんねえ。まだまだ、化ける可能性はある」と地元広島の白武佳久スカウト部長。昨季限りで現役引退した岩本貴裕(現スコアラー)を最後に、広島に広島商出身選手はいなくなった。球界全体を見てもソフトバンク・柳田ただ一人。超名門から出た久しぶりの有望株にこの日プロ4球団が熱視線を送った。

 甲子園優勝という目標はコロナ禍により目標のまま終わったが、甲子園大会中止発表直後に襲われた虚脱感は今はない。「あと三つ。必ず優勝します」。“野球王国”広島の頂点へこれからさらにギアを上げていく。

 ◆高井 駿丞(たかい・しゅんすけ)2002年(平14)5月21日生まれ。広島市出身の18歳。7歳の時に軟式野球を始め、井口台中まで投手一筋。広島商入学後に硬球を握り、2年秋から背番号1でベンチ入り。最速は今年6月に練習試合で記録した142キロ。変化球はスライダー、カーブ、フォーク。1メートル86、88キロ。左投げ左打ち。好きな球団は広島。目標はツインズ・前田、ソフトバンク・工藤監督。

続きを表示

2020年7月27日のニュース