MLB今季7月開幕案に懸念…ダル「濃厚接触だらけ」「選手は闘犬とほぼ同じ状況」

[ 2020年5月16日 05:30 ]

カブスのダルビッシュ(AP)
Photo By AP

 大リーグ機構(MLB)と選手会が新型コロナウイルス感染拡大で延期されている今季の試合開催に向けて協議を続ける中、カブスのダルビッシュ有投手(33)ら選手が14日(日本時間15日)、試合開催に対して懸念を示した。独立記念日である7月4日(同5日)前後に無観客での開幕とする開催案に向け、労使合意のリミットは今月いっぱいとされるが、現場の不安は拭い切れていない。

 MLBと選手会は今季開催案について12日(日本時間13日)から協議を始めた。米メディアは関係者全員が週に複数回、検査を受けることが開催案に盛り込まれたと報道。協議が続く中、選手からはリスクを背負いながらのプレーに懸念の声が上がった。

 「チームでプレーするということは濃厚接触だらけになる。実際にプレーすることに不安を感じている選手は結構多いらしい」。ツイッターで不安を明かしたのはダルビッシュだ。MLBは対戦をアとナの同地区に限定し、感染防止に努めて開幕を目指しているが、感染終息のメドが立たない状況を危惧。「どうしてもプレーしてほしい人たちはリスクが選手に比べて極めて低く、お金はもうけられる人たち」「実際に自分や家族を犠牲にして戦うのは選手や現場スタッフ」「MLBの選手たちは闘犬とほぼ同じ状況だと思う」と続けざまにつづった。

 18年のサイ・ヤング賞左腕、レイズのスネルも「リスクはかなり高まっているのに、給料は下がっていく。命を危険にさらしている」と話す。ボブ・マンフレッド・コミッショナーは開催案について「選手会との合意に達すると確信している」と楽観的見解を示したが、最大の争点である年俸以外でも課題は山積している。

 《感染防止策は…》○…複数の米メディアが開催案に盛り込まれた感染防止策を報じた。検査体制の他にも年齢や既往症による感染リスクの高いコーチ、審判員の今季の参加見送り、つば吐きやハイタッチの禁止が提案された。さらに、救援投手がブルペンではなく無観客のスタンドで待機することや、投手交代などで監督らがマウンドに来ることの禁止も挙げられているという。MLBは今週中にも100ページ近い文書を作成するが、選手の感染者が確認されてもシーズンは中断されずに続行され、チーム全体の検査を実施して陰性の場合はプレーを続ける方針も盛り込まれているという。

続きを表示

2020年5月16日のニュース