元巨人・仁志敏久氏、江戸川大客員教授に就任 オンラインで初授業「こっちの方が学んでいます」

[ 2020年5月15日 05:31 ]

江戸川大学の客員教授に就任し、初授業を行った仁志敏久氏
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 巨人、横浜(現DeNA)などでプレーし、現在は侍ジャパンU12の監督も務める仁志敏久氏(48)が、今年度から江戸川大の客員教授に就任し、14日にオンラインで初授業に臨んだ。担当科目は「スポーツ指導者論1」。筑波大大学院で学んだ理論に自身の経験談も交えて100分間、2~4年生の合計約130人を相手に、研究室のパソコン越しに語り掛けた。

 18年12月に同大の特別講師として行った講義が、就任のきっかけになったという。「指導者の勉強を(10年6月に)引退してから、10年近くしてきたつもり」。通算1591安打、二塁手としてゴールデングラブ賞を4回受賞した名手は、教授としても一切、妥協はなかった。

 「つまらない授業にしてしまうのは指導者の責任だと思っている」と、今回のために1週間かけ自作のパワーポイントの資料50~60枚を準備。11年にテレビ番組の企画で取材したドミニカ共和国での写真、16年9月に自費で訪れたダイヤモンドバックス秋季キャンプのコーチ研修時の写真も、教材に使用した。

 上々の「デビュー」を果たした仁志氏は「教える、というより、こっちの方が学んでいます」と笑顔。当面はオンラインでの授業となるが、今後は対話も重視していく。野球に特化するつもりもない。「学生のみんながスポーツに関わっているわけではない。コーチング(理論)は社会に出ても一般的に使える。上司になって部下や後輩を持った時の自分に当てはめてもらえたら」と訴えた。(大林 幹雄)

 《部活できない学生へエール》学生時代は常総学院と早大でプレーした仁志氏が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で部活動が十分にできない学生にエールを送った。「今できないことを考えるより、今できることを考えた方がいい。それが実は練習の他に必要なもの」と個人練習の重要性を強調。「野球の技術は1人でやっている練習が一番上手になる。全体練習はチームのクオリティーを整え、自分の技術を確かめるもの」と話した。

 ○…プロ野球の選手出身者では元ロッテ投手の小林至氏が江戸川大で02年から助教授、06年から教授を務め、今年4月に桜美林大の教授に就任した。日本ハム・栗山監督は白鴎大で04年に助教授、08年に教授に就任。巨人・原監督は09年から国際武道大、16年から東海大の客員教授に就任した。2人ともオフに特別講義を行っている。

 ▽江戸川大 1990年に開学した千葉県流山市の私立大学。2学部、6学科で2361人(19年5月時点)の学生が在籍する。18、19年に千葉県1部リーグを連覇したサッカー部は、元ジェフ市原(現千葉)の鈴木秀生教授が総監督。他に日本相撲協会の理事補佐、巨人アドバイザーを務める広岡勲氏らが教授を務めている。

 ◆仁志 敏久(にし・としひさ)1971年(昭46)10月4日生まれ、茨城県出身の48歳。常総学院では甲子園に3度出場。早大、日本生命を経て95年ドラフト2位で巨人に入団し、96年に新人王。07年から横浜、10年には米独立リーグでプレーし、同年6月に現役引退。プロ野球通算1591安打、打率.268、154本塁打、541打点、135盗塁。16年3月に筑波大大学院(人間総合科学研究科)の修士課程修了。17年の第4回WBCでは侍ジャパンの内野守備走塁コーチ。14年から侍ジャパンU12の監督を務める。

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