巨人・坂本、外野ノック!?「コンバートしようとしたけど…外野手は断念します」

[ 2020年4月11日 05:30 ]

外野で守備練習を行い、飛球をキャッチする巨人・坂本
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 巨人・坂本勇人内野手(31)が10日、川崎市のジャイアンツ球場で個人調整を行い、プロで出場経験のない外野ノックを受けるなど精力的に汗を流した。チームは昨秋キャンプでもお互いを理解するため内外野の「シャッフルノック」を敢行。新型コロナウイルスの感染拡大で開幕延期となって生まれた時間を有効活用するなど、未曽有の事態をプラスに変える姿を率先して示した。

 珍しい光景だった。トレーニングウエア姿の坂本がボールの落下点を目指して必死に走るのは、内野ではなく外野グラウンドだ。任される守備範囲の広さに思わず「しんどっ!」と苦笑い。岡本と参加した外野ノックを終え「センターにコンバートしようとしたけど、今日の練習で外野手は断念します。諦めます」とおちゃめに笑った。

 今だからこそできる練習だ。新型コロナウイルス感染拡大で東京都などに緊急事態宣言が発令され、当面の間は個人調整期間が続く。開幕日も含め先行きが不透明な状況だが、プロ2年目から遊撃レギュラーで現在は主将も務める男は、生まれた時間を1秒たりとも無駄にはしない。普段は守らない場所でノックを受けることで外野手の気持ちを理解。さらに内野ノックよりも長い距離を走ることで足腰を鍛え「しっかり追い込むところは追い込んで、抜くところは抜いて、そのメリハリは大事」と話していた言葉も実践してみせた。

 今回の練習法はチーム方針と一致する。坂本ら主力は不参加だった昨秋の宮崎キャンプでは、発展途上の若手らが内外野の「シャッフルノック」を敢行。お互いのポジションを理解し、有事にも備える狙いで重信や石川らが内野、田中俊や山本らが外野を守った。個人調整期間中、原監督がナインに「シンキングベースボール」を求めている中、主将自ら率先して手本を示した。

 坂本は「正直、難しいなというのはありますけど、みんな同じ状況。一日一日ベストを尽くしていいコンディションで開幕を迎えたい」とも語っていた。誰もが猛威を振るうウイルスに不安を抱えているが、練習中は周囲と積極的にコミュニケーションを取りながら笑顔を絶やさなかった。ファンの前でプレーできる日が来ることを信じ、調整を続ける。(青森 正宣)

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