選抜高校野球 無観客試合開催で準備 最終決断は11日

[ 2020年3月5日 05:30 ]

会見する(右から)八田英二日本高野連会長、丸山昌宏大会会長、斉藤善也大会副会長(撮影・後藤 正志)
Photo By スポニチ

 日本高野連は4日、大阪市内で第92回選抜高校野球大会運営委員会と臨時理事会を開催。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、出場32校に無観客試合での準備を要請しつつ、開催可否は11日の臨時運営委員会で最終判断することを発表した。感染状況や政府の対応などを総合的に見て、開幕日の3月19日まで運営のあり方を模索する。無観客なら春夏通じて初めてのこととなる。

 全国でスポーツイベントが中止される中、高野連は無観客での試合準備を各校に要請し、実質的には結論の先送りを選択した。日本高野連・八田英二会長(70)は「中止するのは簡単」としたうえで今回の発表内容に至った理由を説明した。

 「球児の甲子園でプレーしたい熱い思いに、何とか知恵を出し合って、工夫して、最大限配慮してできないものかと。なお1週間、努力を続けたい思いで今回の決断に至った」

 出場校に対する個別の聞き取り調査で、開催する場合には「出場したい」との返答が27校。残る5校も万全の感染予防を条件に同様の返答だったことも背景にはあった。

 開催可否は3月11日の臨時運営委員会で判断するが、高野連では情勢を注意深く見守って行くと同時に、各種対策も進めていく。不特定多数との接触を避けるため、この日の時点で甲子園練習、開会式などの中止が決定。組み合わせ抽選会も主将は参加せず、代理抽選によって行うこととなった。宿舎生活については消毒液、マスクの配布など感染予防を徹底し、通常は各校に任される移動バスの手配を主催者で管理する。日本野球機構(NPB)とJリーグが主催する「新型コロナウイルス対策連絡会議」に出席することも発表。情報収集も進めていく。

 開催前提でことを進めるわけではない。出場校の健康状況や感染状況を総合的に判断し、開催困難と判断すれば即座に中止を決断。11日以降でもスタンスは変わらない。八田会長は「無観客(開催)で突き進むということはない。球児の健康、関係者の健康に配慮できないとなれば、中止を宣言させていただく。それまでは模索を続ける。18日の(深夜)12時手前まで最大限努力したい」と語った。

 8日に解禁される練習試合は、移動に伴う感染リスクの軽減と、出場校の公平性を保つ意味で行わず、15日までは自校での練習に限ることを各校に通達した。現時点では選抜大会史上初めての中止は回避した形だが、感染予防策に加え、休校期間中の大会開催の賛否など問題は山積。高野連としては球児達の夢の実現を優先し、行動を続けることを選択した。

続きを表示

2020年3月5日のニュース