山梨学院・相沢 魂の140球 サヨナラ被弾にも吉田監督「3年間の集大成を見せてくれた」

[ 2019年8月11日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会 第5日1回戦   山梨学院2―3熊本工 ( 2019年8月10日    甲子園 )

<熊本工・山梨学院>12回1死、熊本工・山口(右)にサヨナラ本塁打を浴びた山梨学院・相沢(撮影・木村 揚輔)
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 両膝に手をつき、動けなかった。視線はサヨナラ被弾したバックスクリーン。20秒…。ようやく天を仰いだ山梨学院(山梨)・相沢のおえつは止まらなくなった。

 「気持ちを抜いていたわけじゃない。少しコースが甘くなった。自分の甘さです」。初回、2回に一塁けん制で刺し、元内野手の守備力を発揮した。7回2死、左足がけいれんしタイムをかけ給水。8回の投球前に治療を受け、投げ続けた。

 「1試合投げきったことはない。でも今日は佐藤を助けてやろうと思った」。開会式後、継投で勝ち抜いた山梨大会でチーム最多14回1/3を投げた右腕・佐藤の右肘疲労骨折が判明。吉田洸二監督は「エースと心中という監督じゃない。仕方なかった。主将の相沢が3年間の集大成を見せてくれた」と11回1/3を投げ抜き、3失点完投した左腕を称えた。

 相沢は「気持ちで負けない、楽しくやる」の意味を込め「ニコちゃんマーク」と「最後は気持ち」と帽子に記した。緊急事態での140球。「打たれて申し訳ないけど悔いはない」とまた涙した。 (春川 英樹)

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2019年8月11日のニュース