阪神・梅野、愛用ミットの“秘密” 「ユーループ」で薬指を密着

[ 2019年7月30日 05:30 ]

グローブ外側の紐で指を固定する「ユーループ」 (撮影・後藤 大輝)  
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 阪神・梅野隆太郎捕手(28)の愛用ミットの“秘密”が判明した。アドバイザリー契約を結ぶSSK社と協議を重ねて理想を実現。特にミットと手の一体感をアップさせる「ユーループ」は特許庁へ意匠出願中という唯一無二のこだわりだった。近く「梅ちゃんモデル」として発売される見通しで、梅野も全国の野球少年、少女に愛用されることを願った。

 キャッチャー・梅野のこだわりが最大限に詰まった究極のミットと言える。「一番、求めているミットを作ってもらいました」。プロ入り時から硬さ、形状などさまざまな部分に関してSSK社と話し合いを重ねてきた中、昨夏に1つの完成形が誕生。唯一無二なのが、薬指をミットに密着させることを実現させた「ユーループ」だ。

 使用とともに柔らかくなるミットは、手の甲側の部分が反り気味になり、捕球時に体の左側へのボールに対する捕球ミスの要因にもなり得た。さらに、コリジョンルールの導入で両手から片手タッチが主流になり、ホールド性、操作性の重要度が増加。そんな中、着目したのが薬指をミット本体に密着させ、より手とミットの一体感を上げる方法だった。

 一般的なミットには薬指を止めるパーツは付いておらず、同社はミット内部で薬指を固定させるループを配置。ミット甲側に出した紐を締め上げれば、捕球面に指が密着し、指先の力を伝えやすくなる構造を採用した。同社担当者は「梅野選手の求める柔らかいけどボールに負けない構造、一番使いやすい状態を維持できるミット」と説明。柔らかさと操作性の両立で捕球後、素早く送球する際の握り替えもスムーズになり“梅ちゃんバズーカ”も後押しする。

 SSK社は、梅野の頭文字「U」を採用した「ユーループ」として独自の形状を意匠出願中で、早ければ今秋にも一般の硬式、軟式用ミットとして発売する予定。梅野は「多くのプレーヤー、特に手の小さな選手、指の細い選手、女性プレーヤーに、操作性の良さを実感してもらえると思う。キャッチャーをやってる子どもたちがしっかり捕球でき、プレーのレベルが上がる。(ミット)に自分の名前が付くのはうれしい」と目を輝かせた。

 昨季は初のゴールデングラブ賞を獲得し、球界を代表する捕手へ一歩近づいた。信頼を置く「相棒」とともにこれからも戦い抜く。(遠藤 礼)

 ▽意匠 物品(の部分を含む)の形状、色彩、模様などにおけるデザインのこと。特許庁に意匠登録の出願が可能で、世に発表されてないデザインなどが要求される。審査に合格すれば意匠権が発生し、登録日より20年間存続し物品の独占販売ができる。科学的な技術を保護する「特許」とは区別される。

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2019年7月30日のニュース