早大・小宮山監督 初陣13点爆勝、長嶋流“サイン”でバントも

[ 2019年4月21日 05:30 ]

東京六大学野球第2週第1日   早大13―1東大 ( 2019年4月20日    神宮 )

<早大・東大>ベンチからバントの指示を出す小宮山監督(撮影・荻原 浩人)
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 プロ野球通算117勝の右腕で、大リーグのメッツでもプレーした早大野球部の小宮山悟新監督(53)が、リーグ戦初采配を振るった。1925年創設の同リーグでメジャー経験者が指揮を執ったのは初めてで、リーグ戦で胸にえんじ色の「WASEDA」のユニホーム姿は大学時代以来で30年ぶり。試合は13―1と大勝した。また、立大は明大を4―0で下し先勝した。

 表情を変えず、グラウンドコートを静かに脱いだ。大勝での初陣白星。だが小宮山監督は、感情を表に出すことはしなかった。

 「監督としてどうという試合ではなかった。学生がよく頑張ってくれた。学生に感謝しています」

 最初に動いたのは1―0の2回だった。無死一、二塁で打者は投手の早川。ブロックサインではなく両手を突き出し「バント」のジェスチャーをした。直前に言葉で犠打を伝えた上で「念を押した形」と説明。これが2番・金子のリーグ戦初本塁打となる2ランを含む3連打などで一挙5点につながった。3回無死一塁で早川の打席でも同様のジェスチャー。一塁走者には両腕を振って走るしぐさで盗塁を促し、思惑をナインに明確に伝えた。

 かつて巨人・長嶋監督(現終身名誉監督)が代打を告げる際にバントのポーズをしたことはあるが、明確さと徹底を込めたものは小宮山流。投げては7回1失点の早川は「決まり事のようなもの。チームで徹底される感じがある」と口にした。

 13得点の大勝にも安堵(あんど)はない。「法政が(東大戦で)何点取ったかということ。一番になるなら、そういうところ。ただ大量点で勝てばいいということではない」。第1週に東大に18―5で圧勝した法大を念頭にリーグ戦全体を見据えた厳しさも見せた。

 15年秋以来、6季優勝がない早大。優勝はもちろん名門再建も託された。「何が正解かは分からないけど、皆さんが納得していただける姿を見せたい」。新監督の戦いは始まったばかりだ。(春川 英樹)

 ◆小宮山 悟(こみやま・さとる)1965年(昭40)9月15日生まれ、千葉県出身の53歳。芝浦工大柏から2浪して早大入学。4年時は主将で六大学リーグ通算20勝。89年ドラフト1位でロッテ入団。99年オフに戦力外となり横浜(現DeNA)移籍。02年にFAでメッツ入団。03年は所属球団がなく、同年12月にロッテで復帰し、09年に現役引退。日本での通算成績は455試合で117勝141敗4セーブ、防御率3・71。11~14年は早大野球部コーチ。右投げ右打ち。

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