巨人「ダイナマイト・シンゴ」打ったでV弾!先発抜てき応えた

[ 2019年4月21日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―0阪神 ( 2019年4月20日    甲子園 )

<神・巨>2回1死一塁、石川は中越えに先制2ランを放つ(撮影・大森 寛明)
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 巨人・石川慎吾外野手(25)が20日の阪神戦で2回に決勝の中越え1号2ランを放った。今季2試合目の先発出場で、原辰徳監督(60)の起用に応えた。今季初安打となった2年ぶりの一発は甲子園通算33打席目での初アーチ。平成最後となった伝統の一戦で初の決勝打をマークした。チームは今季初の完封勝ち。開幕から阪神戦5戦5勝は7連勝した87年以来で、平成では初となった。

 芸人顔負けの「登場」だった。ベンチ裏通路に現れた石川はポケットに手を入れ肩で風を切り、がに股で闊歩(かっぽ)した。「打ったで~!」。亀井らの笑い声が響いた。

 一転、報道陣の質問には謙虚になる。「チームが勝てたことがうれしいです。少しでも貢献できた」。大阪出身でコテコテの関西弁。ファンは「ダイナマイト・シンゴ」と呼ぶ。同僚から「弱そうなプロレスラー」と揶揄(やゆ)されたこともあるが、爆発力は本物だった。

 0―0の2回1死一塁。バックスクリーン左に決勝の1号2ランを運んだ。岩貞の低めのスライダーをすくい上げた。今季5打席無安打だったが、初安打が2年ぶりの本塁打。開幕直後に2軍降格もあったが「気持ちが落ちることはなかった。攻める気持ちでした」と喜んだ。

 幼い頃から野球観戦と言えば甲子園だった。同球場では日本ハム時代から通算33打席目で人生初本塁打。東大阪大柏原では3年時に主将として同校初の夏の甲子園に導いた。思い出の地で、今季2試合目の先発出場。緊張が顔に出ていたが、自主トレも共にした亀井から「失敗してこい!」と声を掛けられ「ハッとなった」と言う。

 抜てきした原監督は、左腕対策として吉村打撃総合コーチから陽岱鋼ではなく、状態の良い石川の起用を進言された。「私の中では半分半分であったんですけど。強い言葉に後押しされて彼を使った。私はコーチの言うことを全て聞きますから」と笑った。大勝した前夜は、途中から右翼守備に就かせてこの日に備えさせた。

 石川の伝統の一戦初となる決勝打で、阪神戦は開幕5戦5勝。甲子園では昨年5月27日から負けがなく、同球場での連勝を8に伸ばした。「若いのでもっと盛り上げていければ。強い気持ちで野球を楽しむ」。ナインからサイレントトリートメントで祝福された25歳は試合後、ナインと大騒ぎした。(神田 佑)

 ≪吉兆T戦無傷5連勝≫巨人は阪神に今季無傷の5連勝。このカードで巨人がシーズン初戦から5連勝以上は41年6連勝、59年5連勝、67年7連勝、87年7連勝に次いで32年ぶり5度目になる。過去4度の最終順位は全て優勝。巨人にとって吉兆データだ。

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