阪神・矢野監督「すごく楽しみ」ルーキーコンビに託した1、2番

[ 2019年3月29日 10:30 ]

セ・リーグ   阪神―ヤクルト ( 2019年3月29日    京セラD )

開幕を前に野手陣を集めて話す矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 プロ野球は、29日にセ・パ両リーグがそろって開幕する。阪神の矢野燿大新監督(50)は何度も「楽しみ」と前向き発言に終始した。ドラフト1位の近本光司外野手(24=大阪ガス)と同3位の木浪聖也内野手(24=Honda)を1、2番に起用する方針で開幕ダッシュを成功させるべく、ヤクルトとの開幕戦に必勝を期した。

 新監督として迎える2019年シーズン。開幕戦と同じ舞台となる京セラドーム大阪で約2時間半の最終調整を終えた矢野監督は「厳しい1年」を、あえて「楽しみ」と表現した。

 「すごく楽しみ。選手たちにも“どうせなら楽しんでやろう”と。今からやるんだから。楽しんでやりたい」

 勝負の世界の厳しさを知り尽くす中で、繰り返した「楽しみ」というフレーズ。真剣勝負の中で「楽しむ」ことは決して容易ではないが、だからこそ、追い求めることで道が開けると信じる。

 「オレも弱いし不安もいっぱいある。そうやって野球をやるより、今日は勝つぞって。どんな勝ち方をしようというふうに話した方が楽しいし、いい結果が出ると思う」

 最下位に終わった昨季からの巻き返しは簡単ではない。開幕カードの相手、ヤクルトには昨年8月19日から10連敗したままシーズン終了。だからこそ、チームに勢いを付けるためにも開幕戦に勝利し、流れをつかみたい。

 「本心を言えば、絶対に開幕ダッシュしたい。2002年か。開幕7連勝して。興奮して毎日、寝られへんかったわ。ああいうシーズンのスタートを切れたらというのは心のどこかにある」

 一つ勝つのも難しいが、連勝するのはもっと難しい。それを実現するためには、チームに勢いが求められる。その旗頭となるのが、矢野阪神の象徴的存在ともいえる、木浪と近本の新人コンビだ。

 2番を打つ近本は大阪ガス時代の昨年の都市対抗1回戦・信越硬式野球クラブ戦で3安打1打点。チームを勢い付け初優勝の原動力となった。昨秋の日本選手権でも1回戦・鷺宮製作所戦で3安打。大舞台の一発目にはめっぽう強く「開幕男」と言ってもいい。1番を打つ木浪も今春初実戦となった2月7日の紅白戦(宜野座)で決勝3ランと華々しいデビューを飾った。

 指揮官も「思い切ってやってくれたらいい」とプラスアルファを期待した。今季のチームスローガンは「ぶち破れ! オレがヤル」。逆襲への第一歩を踏み出す矢野阪神は、超前向きに、超積極的野球で活路を開く。(山本 浩之)

 ≪47年ぶり新人2人開幕スタメン≫阪神の新人2人が開幕戦に先発するのは1972年の中村勝広(1番二塁)と望月充(3番左翼)以来、47年ぶり。近本は「あまり実感がない。緊張感はあまりないですし、いつも通りやれたら」と平常心を強調。矢野監督が求める2番像について問われると「まだ2割くらい。(相手に)嫌な2番になれたらいい。試合を重ねて10割に近づけたい」と意欲。木浪は「(近本は)自分よりも足が生かせるので心強い」と共闘を誓った。

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