中畑氏 松坂の「事故」残念…ファンサービスと選手の安全を両立する方法とは

[ 2019年2月19日 08:30 ]

中日・松坂
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 【中畑清 キヨシスタイル】残念な「事故」が起きてしまった。中日の沖縄・北谷キャンプ。松坂がファンと接触して右肩を痛め、離脱したのだ。

 ファンにとってキャンプほど選手を身近に見られるチャンスはない。だからわざわざお金をかけて沖縄や宮崎まで足を運んでくれる。ファンあってのプロ野球。球団によって温度差はあるけど、選手も可能な限りサービスしようと努めている。

 そんな中で起きてしまった事故。ファンとしては憧れの選手の体に触れたい。詳しい状況は分からないけど、もみくちゃ状態の中で、つい腕を引っ張る形になったんじゃないかな。

 心当たりのあるファンは責任を痛感していると思う。でも、ケガをさせようと思ってやったわけじゃないはずだ。その人を責めるより、不幸な事故が二度と起きないようにするにはどうすればいいかを考えようよ。

 今年は12球団全てのキャンプ地に足を運んだけど、ファンサービスを大事にしながら選手の安全を確保するという点では、ソフトバンクの宮崎市生目の杜運動公園が一番だね。メインのアイビースタジアムで練習が始まる前に監督以下選手がサインボールをスタンドへ投げ入れる。ファンの歓声に背中を押されて練習がスタートするんだ。隣接するブルペン、室内練習場、サブグラウンドへの動線はカラーコーンにプラスチックの棒をつないで確保。ファンは移動する選手をすぐ目の前で見られる。

 各所に警備員が配置され、ファンがコーンの中に立ち入ることはない。サービスに満足しているからマナーやモラルが必然的に守られるんじゃないかな。

 生目の杜は選手と一体感を持てるから大勢のファンがやってくる。その声援が選手には大きな活力源になるんだ。私も現役時代、どれだけ助けられたか。居残りの特守。ヘトヘトになっても、スタンドから声援をもらったら立ち上がれた。

 練習が終わったら可能な限りサインの求めに応じる。ファンとウィンウィンの関係を築けたら最高。とにかく今回の件で選手とファンの距離が離れてしまうような事態は絶対に避けなきゃいけない。 (本紙評論家・中畑 清)

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2019年2月19日のニュース