日本ハム田中賢、来季で引退 早期表明で“新庄の道”「パレード先頭で手振れたら」

[ 2018年12月26日 05:30 ]

記者会見で19年を最後に現役引退を表明した日本ハム・田中賢
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 日本ハム・田中賢介内野手(37)が25日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、来季限りで現役引退することを表明した。年俸は1000万円減の6500万円プラス出来高払い。06年シーズン序盤に現役引退を表明して、チームを44年ぶりの日本一に導いた新庄剛志のごとく、異例の早期発表でナインを鼓舞し、3年ぶりの頂点へ導くつもりだ。

 表情は穏やかだった。二塁手としてベストナイン6度、ゴールデングラブ賞5度の輝かしい実績を誇る名手・田中賢。今季は主に代打で打率・295も、故障で長期離脱した11年を除けば、11年ぶりに出場試合数が100試合を下回った。ここ数年葛藤を続け、胸の内に秘めてきた思いを打ち明けた。

 「米国から帰ってくるときも悩んだし、昨年もそう。今年はかなり悩んだ。プロ野球選手として、自分ができると思っていることと、実際できていることのギャップが少しずつ多くなってきた。トータルで判断して来季が最後でいいんじゃないかという決断をした」

 日本球界で前年オフの引退表明は超異例。その理由について「僕の気持ちが変わることはない。ある意味、周りがやりやすくなる。早く宣言した方が気を使わせなくても済むかなと思った」という。球団側は慰留を続けたが、最終的には本人の決断を尊重。田中賢も「次の世代へつないでいってほしい」と球団の来オフ編成にも配慮したとみられる。

 北海道に移転した04年以降、5度の優勝を全て経験。44年ぶりの日本一となった06年は、打率・301でレギュラーに定着した。チームは4月終了時点で4位だったが、新庄がその年限りで現役引退することを発表してから快進撃が始まった。

 その再現を狙う。来季の目標について田中賢は「日本一。燃え尽きるまでやる」と断言する。「優勝パレードの先頭の車に乗って、皆さんに手を振れたら最高ですね」。来季は全試合が引退興行となる。「あと1年頑張って」と現役続行を後押ししてくれたファンのためにも、日本一を置き土産にユニホームを脱ぐつもりだ。(東尾 洋樹)

 ◆田中 賢介(たなか・けんすけ)1981年(昭56)5月20日生まれ、福岡県出身の37歳。東福岡から99年ドラフト2位で日本ハム入団。06年から5年連続でゴールデングラブ賞に輝き、ベストナインは6度受賞。12年オフに海外FA権を行使しジャイアンツとマイナー契約。13年にレンジャーズに移籍し、メジャー通算15試合で打率・267、2打点。15年に日本ハムに復帰した。1メートル76、78キロ。右投げ左打ち。

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