来夏の甲子園、休養日1日増検討 3回戦終了後か準決勝後に設定へ

[ 2018年12月26日 06:45 ]

甲子園球場
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 来夏に開催される第101回全国高校野球選手権(甲子園)で、日本高野連が休養日をこれまでの1日から2日に増やすことを検討していることが25日、分かった。高校球児の身体的な負担を減らすことが狙いで、すでに関係各所に要望を提出している。猛暑に見舞われた今夏だったが、金足農・吉田輝星投手(17=日本ハムドラフト1位)が881球を投じたことで、大会運営が見直された。調整がつけば、来年1月にも発表される。

 101回目を迎える来夏は球児たちの健康管理を、これまで以上に重視していく。関係者によると「休養日を増やしたい要望を甲子園球場や関係各所に出した」と明かした。

 今夏は記録的猛暑で、選手の身体的負担が話題となった。金足農を準優勝に導いたエース吉田が地方大会から甲子園決勝まで1517球を投げたことも議論を呼んだ。13年夏から休養日1日を取り入れた日本高野連だが、新たに検討を重ね、休養日2日制導入へアクションを起こした。

 関係各所の承認を得られれば、現行の準々決勝翌日の休養日に加えて3回戦終了後、または準決勝後に新たな休養日を設定することになりそうだ。

 選手のコンディション問題は長らく議論されてきたが、今年は大きな転換となった。今春センバツからタイブレーク制を採用。夏は地方大会で球児や応援生徒の救急搬送が相次いだこともあり、京都大会では一部をナイター開催に変更するなど各都道府県高野連が対策に追われた。

 甲子園では佐久長聖―旭川大高の1回戦で史上初となるタイブレーク決着。開会式中に給水時間を設けるなど、試合中も積極的な水分補給を呼び掛けた。秋田大会から10試合連続完投した吉田の姿は全国的な感動を呼んだが、体調管理の徹底を求める声も多かった。

 国際大会では、今夏U18アジア選手権(宮崎)で1試合の上限を105球とする球数制限が設定されるなど、特に投手の故障予防はすでに世界的な主流になっている。競技人口の拡大を目指す上でも、まずは大会運営面で改善を図り、選手たちの体を守っていく。

 《新潟県は球数制限試験導入》健康管理や故障予防対策は各県レベルでも動きが出ている。23日には新潟県高野連が来年4月に開幕する春季新潟県大会で投手の投球制限を試験導入することを明らかにした。球数が1試合100球に達した投手はそれ以降の回に登板できない。連投による制限はないが、全国の高野連に先駆け、公式戦では初の取り組みとなる。

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2018年12月26日のニュース