広島またVお預けも粘り見せた ヤクと直接対決で3連覇決める

[ 2018年9月26日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3―5DeNA ( 2018年9月25日    マツダ )

敗戦後、オーロラビジョンに映し出されたナゴヤドームのヤクルトの試合をベンチから見つめる丸(中央)らナイン(撮影・坂田 高浩)
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 優勝へのマジックナンバー「1」の広島は25日のDeNA戦(マツダ)に惜敗。2位のヤクルトも勝ったため、27年ぶりの本拠地胴上げは、またお預けになった。5回に代打・新井貴浩内野手(41)の中犠飛から反撃し丸佳浩外野手(29)がリーグトップタイの38号ソロを放つなど一度は2点差を同点にする粘りは発揮した。26日はヤクルトとの直接対決。3度目の正直で、勝ってリーグ3連覇を決める。

 球団初の3連覇、そして27年も本拠地胴上げを果たせなかったのだから、そう簡単には決まらない。午後9時ごろ、突然風向きが変わった。ナゴヤドームでマジック対象のヤクルトが9回に2点差を追いついたのとほぼ同時刻だ。回をまたいだフランスアが同点の8回1死一塁からロペスに痛恨被弾。反撃もかわされ、自力での悲願達成は立ち消えた。

 敗戦が決まった後、ナインは一塁ベンチに残り、場内に映像が流れたナゴヤドームの戦況をファンとともに見届けた。延長戦でヤクルトが勝利し、胴上げは持ち越し。緒方監督は、はやる気持ちを抑えるように自ら淡々と切り出した。

 「また明日しっかりやるだけ。やっている野球は問題ない。また明日、勝ちましょう」

 リーグ3連覇への重圧なのか立ち上がりから、どことなく重苦しい空気が流れた。打ち破ったのは精神的支柱の新井だ。0―2の6回1死三塁で代打として打席に向かうと、ストライクは全球迷わずスイングした。4球ファウルして迎えたフルカウント。エスコバーの低めの156キロを食らいつくように中堅へ犠飛を打ち上げ、1点目をもたらした。突き放された直後の6回には2点差を一時に追いついたのだから、この一打が勢いをもたらしたのは明白だった。

 「何とかしたかった。それまでは自分の考えと違って中途半端なスイングになっていた。追い込まれてしまって、内野も下がっていたので、三振だけしないようにと集中した」

 1打席で出番を終えた後もベンチ最前列から声を出して鼓舞。若手中心の赤ヘルだからこそ、大一番でのベテランの頼もしさは光った。26日からは本拠地にヤクルトを迎えて3連戦。新井は言う。「明日に向けてしっかり準備するだけ」。勝てば3連覇、負ければお預け――。もう他球場の経過を気にする必要はなく、目の前の敵を倒せば優勝は決まる。マジック1からの連敗。“三度目の正直”で今度こそ決める。(河合 洋介)

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2018年9月26日のニュース