大谷 メジャー史上初2桁本塁打&50奪三振 初の2打席連発で達成

[ 2018年8月5日 05:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス7―4インディアンス ( 2018年8月3日    クリーブランド )

<インディアンス・エンゼルス>3回、右中間席へ2打席連続本塁打となるソロを放つ(AP)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(24)は3日(日本時間4日)のインディアンス戦に初の3番に入り、初回に左翼へ10号2ランを放って2桁本塁打に到達した。メジャー1年目の2桁本塁打は日本選手7人目で、同一シーズンに10本塁打と50奪三振以上はメジャー史上初の快挙。3回には2打席連発の11号を放つなど初の4安打と、初づくしの「SHO TIME」となった。

 逆方向へ強く、伸びた。これぞ、大谷本来の打球だ。初回1死一塁。先発右腕クレビンジャーの96マイル(約154キロ)の内寄り直球を体のギリギリまで引きつけ、振り切った。

 「多少、差し込まれていたので、入らないんじゃないかなと思って走っていた」

 高々と舞い上がった打球は左翼席最前列に届く10号先制2ラン。日本選手では12年のブルワーズ・青木(現ヤクルト)以来、7人目となるメジャー1年目での2桁到達だ。何より、同一シーズンで10本塁打を放ち、50奪三振以上(大谷は現在61奪三振)はメジャー初の快挙となり「自分らしい形で打てた」と胸を張った。

 敵地で、そして逆方向への一発はメジャー移籍後初めて。持ち味である逆方向への強い打球が減っていたことに、大谷は「させてくれなかったという表現の方が正しい。あの方向に本塁打を、強いボールを打つというのは、150キロが当たり前の中でなかなかできなかった」と語る。右肘の故障から打者復帰後も取り組み続けた球場施設内ケージでのマシン打撃では、カーブを想定して打ち込んだ。練習を見守るエリク・ヒンスキー打撃コーチは「左中間にライナー性の打球を打つことに焦点を絞って打たないといけない」と説明。体を開かず、内側からバットを出してボールを強く押し込むことを緩い球を打つ中で体に染みこませた。

 1点を追う3回には右中間席中段への11号ソロ。日本人選手では12年のイチロー(ヤンキース)以来6年ぶりの1試合2発を放つと、8回には左腕ペレスから左前打を放ち、すかさず二盗。フレッチャーの右翼線二塁打で決勝の生還を果たし、9回には中前打を放った。「中学くらいだったらもちろんあると思うけど、あまり記憶にない」と日本ハム時代を含め自身初の4安打。2本塁打含む4安打で盗塁も記録したのは、今季メジャー全体で初めて。右手首痛で欠場したトラウトの代役で入った初3番で、初尽くしの「SHO TIME」。チームの連敗を4で止めた。

 逆方向にも大きな当たりが出れば、相手投手の攻め手は減る。「まだまだ(打撃の)“型”があるような感じではない。それをしっかり探したい。変えることに全く怖さはない」。さらなる高みへ大谷は走り続ける。(クリーブランド・柳原 直之)

 ▼イ軍・クレビンジャー 最初の本塁打は内角を逆方向に持っていかれ、その部分は印象的だ。

 ▼エンゼルス、マイク・ソーシア監督 1本目の(左翼席への)本塁打が印象深かった。右打者が引っ張ったような打球で驚いた。(8回は)良い走塁(二盗)もあって、ビッグイニングにつながった。

 ≪大谷の記録アラカルト≫

 ☆1試合2発 日本ハム時代は4度。メジャーで日本選手の1試合2発は12年8月19日のイチロー(ヤンキース)以来。日本選手最多はイチローの7度。1年目の日本選手では04年松井稼(メッツ)、06年城島(マリナーズ)、12年青木(ブルワーズ)に続き4人目。

 ☆4安打 日本ハム時代は3安打が16度。日本選手最多は5安打でイチローが7度、松井秀が2度、新庄、松井稼、福留が各1度記録。

 ☆4安打&2本塁打&1盗塁 メジャー全体で今季初めて。DHに限ると、10年アレックス・ロドリゲス(ヤンキース)以来、史上5人目。

 ☆3番 今季初。最多は5番の18試合。経験してないのは1番と9番だけとなった。

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