W杯期間中にメジャーで途切れた記録と今も続く記録、共通項は…

[ 2018年6月26日 15:00 ]

24日現在、22試合連続無失点のダイヤモンドバックス・平野(AP)
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 6月22日のブレーブス―オリオールズ戦で一つの連続記録が途切れた。ブ軍ピーター・モイラン投手(39)が、7―7の延長15回に8番手としてマウンドに上がり3失点。登板209試合ぶりの黒星を喫した。

 11年9月から8シーズンにわたり、ひそかに続いていた208試合連続無敗。米ヤフースポーツによると、06〜09年に大リーグ最長の240登板無敗を誇った救援左腕トレバー・ミラー(アストロズなど)に次ぐロング記録だった。

 変則サイド右腕のモイランは、オーストラリア出身。自国代表として出場した06年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のベネズエラ戦での投球がブ軍スカウトの目に留まり、同年27歳でのメジャーデビューにつなげた。

 24日現在で通算493試合に登板。無敗期間中に肩の故障や肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)も経験した。ドジャース、ロイヤルズなどへの移籍を経て今季ブ軍に復帰。中継ぎとして既に33試合に登板し、地区首位を走るチームに欠かせない存在である。

 一方、日本選手による連続記録も、所属チームの好調を支えている。ダイヤモンドバックスの平野は24日現在、22試合連続無失点。かねて「プロに入る前から一番の憧れでお手本」と語る13年上原(当時レッドソックス=現巨人)が記録した、日本投手最長の「27」にあと5と迫っている。

 37試合に登板して2勝0敗16ホールド、防御率1・32。被打率・177も十分に好成績だが、走者を背負うとナ・リーグの救援投手で2位(40打席以上)の・098と、精度が増す。連続記録と併せてモイランと共通している点は、平野もオリックス時代の昨季、WBCの前回大会で活躍してメジャー球団の評価を高めたことだ。

 大リーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーはWBCを「野球の国際化と、収益を草の根の普及に使うため、極めて重要な大会」と位置付けている。採算の問題や開催時期をはじめ、まだまだ課題も多い。第5回大会は21年。今後、大会の果たす役割をどこまで広げられるか。ロシアで真っ盛りのサッカーW杯を見ながら、そんなことを考えた。(記者コラム・大林 幹雄)

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