【裏方の流儀】中日・平沼用具担当の慌ただしい一日 選手に最善の環境用意

[ 2018年2月24日 11:00 ]

裏方の流儀=中日・平沼定晴用具担当(52)

中日の平沼定晴用具担当
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 プロ野球選手にとっての「正月」は2月1日のキャンプイン。中日用具担当の平沼定晴氏は「1月31日の夜から2月1日の朝にかけてが、一番緊張する」と話す。一年が始まる最初の日、選手がユニホームを着て万全の環境で練習できるか、不備はないか、不安が頭をよぎるという。

 用具担当の仕事は数えるときりがない。キャンプ中は打撃ケージやマシンのセッティングに始まり、練習を補助する現地スタッフの指導。シーズンが始まれば、道具の使用頻度や在庫の管理、遠征先への荷物の運搬の手配や選手から頼まれた道具の発注などひっきりなしに電話が鳴る。「選手に頼まれたことはできる限りやる」と要望にはなるべく応えるようにしている。

 シーズン中、最も気を使うのが遠征先への荷物の運搬。選手、球団スタッフ含め約60人分の荷物をチームが到着するまでに届くよう段取りを組む。肝を冷やしたのがリーグ連覇した11年秋。CSに向けて宮崎で調整後、名古屋に戻る際、荷物を乗せたトラックが故障。代替車を手配し「名古屋での練習再開日にはギリギリ間に合ったけど、焦った」と苦笑いで回想した。

 ホッとするのは「一日、問題なく練習ができた時」。選手が最善の環境で練習、試合に臨めるよう、次の日が訪れると、また慌ただしい一日が始まる。(徳原 麗奈)

 ◆平沼 定晴(ひらぬま・さだはる)1965年(昭40)3月27日、千葉県生まれの52歳。千葉商大付では3年春に甲子園出場。82年ドラフト2位で中日入団。87年に落合博満との1対4トレードでロッテ移籍。89年、大乱闘に発展した西武戦での清原和博への死球事件が有名。その後、中日、西武を経て98年の現役引退後は中日で打撃投手、12年からは用具担当専任。

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