広島2年目・坂倉、次代の侍候補 稲葉監督「球界背負う捕手に」

[ 2018年2月4日 05:53 ]

広島日南キャンプ ノックで声を出す坂倉
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 広島・坂倉将吾捕手(19)が3日、日南キャンプ視察に訪れた侍ジャパン・稲葉篤紀監督(45)から次代の代表戦士として大きな期待を向けられた。非凡な打撃センスを買われ、初抜てきされた1軍キャンプに参加中の若ゴイは大感激。「まずはチームの代表に」と力を込めた。

 午前10時。広島ファンの「稲葉ジャンプ」に出迎えられた侍の指揮官は緒方監督や3月のオーストラリア戦に選んだ菊池とあいさつを交わし、野手陣の練習を視察。注目選手を問われる中で田中、西川らの名前を挙げた後、突然、2年目の若ゴイに言及した。

 「捕手の坂倉は非常に打撃がいい。2020年(東京五輪)はどうか分からないけど、野球界を背負う捕手になっていくと思う」

 接点はあった。11月の「アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」の予行演習として、稲葉監督は昨年10月の宮崎フェニックス・リーグで日本ハムを指揮。広島と対戦し、坂倉の打撃を目の当たりにしたという。

 「ファームの試合も何度かテレビで見た。シャープで非常に力強い打撃をしているな…と。体の使い方がうまい感じを受けた」

 高卒1年目でウエスタン・リーグ2位の打率・298は出色。巨人とのファーム日本選手健(10月、宮崎)では、チームを初優勝に導く3ランも放った。ただ捕手というポジションを考慮し、同監督はあえて東京五輪後の侍戦士を思い描く。

 「カープには中村奨成選手も入ったので、争いが激しくなると思う。どう成長していくか非常に楽しみ」

 稲葉監督の発言を伝え聞いた坂倉は「代表に縁が無かったので率直にうれしい」と感激。一方では「名前が挙がったからといって、確実に選ばれるわけじゃない」とし、冷静に自分の足もとを見つめることも忘れなかった。

 「まずはチームの代表にならないとダメ。1軍で活躍し、レギュラーを獲らないと」

 打撃練習では柵越えこそ1本だったが、広角に快音を連発し、89スイングで安打性は45本を数えた。「こういうチャンスをもらったので、開幕1軍は逃したくない」。自軍でのレギュラーと明日の侍戦士を目指し、19歳は濃密な時間を過ごしている。(江尾 卓也)

 【坂倉 将吾(さかくら・しょうご)】

 ☆生まれとサイズ 1998年(平10)5月29日、千葉県酒々井町出身の19歳。1メートル76、84キロ。

 ☆投打 右投げ左打ち。

 ☆球歴 八千代中央シニアで中3春に捕手として全国優勝。日大三では1年秋から外野手として中軸を打ち、2年秋から捕手に戻った。甲子園出場はなし。高校通算25本塁打。

 ☆デビュー 昨年9月23日巨人戦に代打で1軍初出場し、同30日DeNA戦でプロ初安打初打点。広島高卒新人の安打&打点は13年鈴木以来で、捕手では65年衣笠以来だった。シーズン3試合出場で4打数1安打2打点。

 ☆増量 昨季ウエスタン・リーグは打率・298の一方で本塁打1本。長打を求め、体重アップに努めた。

 ☆趣味 散歩。静かな邦楽を聴くこと。

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