DeNA2年目 笠井、中継ぎの鬼になる 変則“捕手投げ”で進化

[ 2018年2月4日 06:35 ]

DeNA宜野湾キャンプ フリー打撃でアピールした笠井
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 変則投法から繰り出される直球は切れていた。1月に育成選手から支配下登録されたDeNAの2年目・笠井がフリー打撃に登板。楽天から加入した中川大とドラフト2位・神里(日本生命)に計42球を投げ、安打性はわずか6本。最速147キロをマークし、3度の空振りも奪った。

 「凄く緊張したけど、外角の直球で左右両方の打者から空振りが取れたのは収穫です」

 早大野球部をわずか2日で退部しながら、独立リーグを経由してプロ入りしたラミレス監督の「秘蔵っ子」だ。2年目で1軍キャンプに初抜てきされた。その特長は独特なフォームだ。右手のテークバックはほとんどない。二塁へ送球する捕手のような動きから、最速153キロの直球を投げ込む。この投法になって3カ月。昨年10月のフェニックス・リーグで川村2軍投手コーチから「トップをつくるのが遅い」とアドバイスされ、11月の秋季キャンプでは大家2軍投手コーチからも同じ点を指摘された。

 「変えるしかない。大げさにやってみよう」。効果はすぐに出た。12月のウインターリーグ(台湾)では10試合連続無失点。「リリースポイントが安定して、指に掛かる球が多くなった。球速も落ちなかった」。ラミレス監督も「良い球を投げていた。低めにも投げられる」と絶賛。貴重な中継ぎ候補とあって「非常に期待している。試合で使って競争させる」と明言した。

 支配下になっても年俸は420万円。「1軍の中継ぎ陣に割って入りたい。活躍しないと稼げないので」。苦労人は「成り上がり」を信じてアピールを続けていく。(重光 晋太郎)

 【笠井 崇正(かさい・たかまさ)】

 ☆生まれとサイズ 1994年(平6)8月7日、北海道旭川市生まれの23歳。1メートル79、89キロ。

 ☆投打 右投げ右打ち。

 ☆球歴 小学3年から野球を始める。旭川西では3年春の北海道大会8強が最高成績。早大野球部を2日で退部し、サークルで硬式野球を続ける。在学中にトライアウトを経て15年にBC・信濃に入団。16年の育成ドラフト1位でDeNA入り。

 ☆大学時代 スポーツ科学部でトレーニング理論などを学ぶ。卒業論文のテーマは「クイック投法」について。

 ☆アルバイト 大学3年まで都内の焼き肉店でアルバイトをしながら独立リーグで野球を続ける。時給970円だった。

 ☆好きな芸能人 乃木坂46の元メンバー・橋本奈々未。旭川西の先輩でもある。

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2018年2月4日のニュース