ヤクルト“宮本イズム”注入 ヘッド就任発表「何とかしたい」 

[ 2017年10月7日 05:30 ]

選手時代に小川監督(右)と笑顔で話す宮本氏
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 ヤクルトは6日、球団OBの宮本慎也氏(46)が来季のヘッドコーチに就任することを発表した。選手兼任コーチを務め、現役引退した13年以来の現場復帰となる。また、1軍の内野守備走塁コーチに編成グループ課長の土橋勝征氏(48)が就く。今季限りで広島を退団する石井琢朗打撃コーチ(47)、河田雄祐外野守備走塁コーチ(49)の招へいにも動く。

 迷いなどなかった。最初から気持ちは固まっていた。5日に都内で正式な打診を受けた宮本氏。翌6日には、快諾の連絡を入れた。

 「今の生活は気に入っていたけど、元々引き受けるとか、引き受けられないとか、そういう問題じゃない。これだけ勝てなくなったチームを目の当たりにし、何とかしたいという気持ちしかない」

 昨季5位。今季は球団ワーストの96敗を喫し、最下位に沈んだ。編成の立場でチームを見てきた小川新監督は神宮に隣接する室内練習場で1、2軍全選手、スタッフを前に「チーム力を上げなきゃいけない。そのために個々のレベルアップ。そのための自覚と目的意識」と投げかけた。

 その先導役が宮本氏だ。通算2133安打、ゴールデングラブ賞を10度。野球に対する真摯(しんし)な姿勢は年齢、チームの枠を超えて手本とされた。04年アテネ、08年北京五輪でも日本代表主将を務め、強烈なリーダーシップを発揮。小川新監督もまず「考え方や、姿勢が一番大きい」と精神面の強化を期待した。

 現役時代の宮本氏の厳しさを知る選手も多い。今季のチームは早々にCS争いから脱落すると選手のモチベーションは消え、ミスも増えた。新指揮官は「宮本が入ると、選手もいろいろ(感じることが)あると思う。そういう気持ちはあった方がいい。緊張感があって、厳しくもできる」と、再び戦う集団へ変貌させる構えだ。

 1軍内野守備走塁コーチに土橋氏が就任し、広島を退団する石井打撃コーチ、河田外野守備走塁コーチの招へいにも動く。宮本氏は第1次小川政権の下で、兼任コーチとして指導経験もある。古巣再建へ、宮本慎也が帰ってきた。 (川手 達矢)

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2017年10月7日のニュース