【屈辱巨人の真相】補強“不発”ドラフト、FA…情報つかみきれず

[ 2017年10月7日 09:05 ]

ドラフト1位ルーキーの吉川尚は最終戦で3安打を放ったが二塁の定位置争いには加われなかった
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 【屈辱巨人の真相3】他球団のブースから「故障は大丈夫なのかな…」という声が上がった。昨年10月のドラフト会議。1位指名は田中(ソフトバンク)、佐々木(ロッテ)を抽選で外し、即戦力野手に方針転換した。吉川尚の名前がコールされた会場での出来事だった。

 中京学院大4年時には全日本大学選手権で優勝に貢献した俊足巧打の遊撃手。球団では二塁もこなせる点を評価した。だが、ドラフト前には右肩に不安を抱える情報もあったが、正確に把握できていなかった。今年1月の新人合同自主トレ期間中に別メニュー調整を余儀なくされ、二塁のレギュラー争いに加われなかった。7月まで固定できなかった二塁には、守備に不安を抱える新外国人のマギーをコンバートせざるを得なかった。

 一方、FA補強も結果的に不発に終わった。昨オフには史上最多となる3選手のFA選手獲得。だが、陽岱鋼(ヨウダイカン)、山口俊は開幕前に故障し、1軍昇格は6月までずれ込んだ。関係者が「昨年から故障の不安を指摘する意見もあったようだ」と話したように、その不安は的中した。陽岱鋼は後半戦は1番に固定され、8月には打率3割を超えたが、勝負どころの9月に失速。打率・264では1番打者としては物足りない。山口俊は暴行騒動もあり、1勝止まり。セットアッパーとして期待した森福は、2度の2軍落ちを経験するなど30試合の登板で防御率3・05に終わった。

 今季最終戦でプロ初安打を放った吉川尚、6勝を挙げた畠ら若手の育成はもちろん、4年ぶりのリーグ優勝を狙う来季に向け、補強は不可欠。球団はヤクルト・バレンティン、中日・ゲレーロといった右の大砲の動向に注視していく構えだ。

 また、ドラフトでは早実・清宮をはじめ、数年後のチーム編成を考えた上で指名することが重要になる。11年ぶりのBクラスからの巻き返しへ、常勝が義務付けられている球団が抱える課題は、山積している。 (巨人取材班)

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2017年10月7日のニュース