大谷 今オフのメジャー移籍決断 あるぞ全30球団争奪戦

[ 2017年9月13日 06:10 ]

パ・リーグ   日本ハム7―0楽天 ( 2017年9月12日    札幌ドーム )

<日・楽>3回を抑え、吠える日本ハム・大谷
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 日本ハムの大谷翔平投手(23)が今オフにポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦する意思を固めたことが12日、分かった。昨年12月に球団から今オフ以降の移籍を容認され、時期については一任されていた。5年目オフの移籍は、ポスティングシステム導入後最速となる。この日は楽天戦に先発。最速163キロで5回2/3を零封し、今季初勝利を挙げた。

 夢を実現させる。心は決まった。昨オフの契約更改で球団からメジャー挑戦を容認された大谷は「来年(17年)そういう気持ちになるかもしれないので、そうなった時の話をしてもらった」と感謝していた。強いメジャー志向は不変。熟慮を重ね、決断した。

 岩手・花巻東3年だった12年ドラフト会議の直前にメジャー挑戦を表明。指名に踏み切った日本ハムから「二刀流」を提案されて入団した。昨季は日本一に輝き、MVPや投手とDHで史上初の2部門ベストナインを獲得。4年間の貢献度を評価され、契約更改の席でメジャー挑戦について初めて球団と話し合った。

 今季はキャンプイン直前に右足首痛が明らかになり、メジャーリーガーとの激突が注目されたWBCの参加を断念。開幕直後には左太腿裏を肉離れし、長期離脱した。だが、6月末に打者復帰。投手でも7月上旬に1軍復帰し、この日が3度目の登板となった。オフに右足首を手術する可能性を残すが、コンディションはほぼ万全。シーズン終了後にも球団と話し合い、正式にメジャー挑戦が決まる。

 大谷が海外フリーエージェント権を取得するのは順調でも21年。移籍はポスティングシステムの利用が必要となる。複数の球界関係者によると、日米間で協議中の新ポスティングシステムの譲渡金は現行通りの上限2000万ドル(約22億円)が有力だ。

 さらに大リーグの新労使協定により、今年から海外の25歳未満のプロ選手獲得に費やせる契約金が制限され、最初はマイナー契約となる。14年に楽天・田中はヤンキースと7年契約、日本人選手最高額の総額1億5500万ドル(当時約159億7000万円)で契約したが、大谷については破格の安さで獲得できることは明らか。メジャー全30球団が大谷獲得に動く可能性がある。この日、札幌ドームでは前回8月31日のソフトバンク戦を上回る16球団32人のメジャー関係者が視察した。

 昨年末、大谷は新労使協定について「関係なくはないけど、規定が変わっただけでどうのこうのはない」と、メジャー移籍にぶれない気持ちを示していた。夢をかなえる時がいよいよやってきた。

 ◆ポスティングシステム 日米間の移籍に関する制度で98年12月に成立。当初は入札金額に上限はなく、最高額で落札した球団に独占交渉権が与えられた。しかし入札額の高騰などで13年に一度は失効し、現行の制度に。現在は譲渡金の上限2000万ドル(約22億円)で、設定額に応じる全ての米球団が交渉可能だが現制度は10月31日で契約終了となる。これまで1年ごとに自動延長していたものの、今春にMLBから改正の申し入れがあり現在、NPBの担当者との交渉が継続中。今オフまでの合意を目指しており、譲渡金は現行の2000万ドルのままとなる可能性もある。

 ≪トレード対価で“上限UP”ヤンキース&Rソックスは契約金8.8億円使用可≫MLBでは昨年12月、海外選手との総契約金を規定し、適用年齢を23歳未満から25歳未満に引き上げた。1年間に使える上限は球団ごとに規定され、475万ドル、525万ドル、575万ドルのいずれか。さらに、上限額の最大75%まで、他球団からトレードの対価として受け取れる。ヤンキースとレッドソックスは上限475万ドルだが、すでに325万ドルを受け取り、約800万ドル(約8億8000万円)が使える。

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