広島まさか逆転負け…鯉の季節に陥落 緒方監督「オレの責任」

[ 2017年5月7日 05:48 ]

セ・リーグ   広島9―12阪神 ( 2017年5月6日    甲子園 )

<神・広>6回裏、突如乱れ降板する岡田(右)
Photo By スポニチ

 屈辱だ。広島は6日の阪神戦(甲子園)に9―0からまさかの逆転負けを喫した。先発・岡田明丈投手(23)が7四死球の制球難。6回途中4安打7失点で自滅降板すると、救援陣も負の連鎖を抜け出せず、今季3度目となる2桁11失点の惨状だ。95年7月30日の中日戦(旧広島市民)以来、22年ぶりの9点差逆転負け。チームは4月7日以来の2位転落となった。

 5回までに14安打の猛攻で9―0。首位安泰を信じ、歓喜に沸く赤ヘル党は、その後の展開が信じられなかったに違いない。投壊。帰りのバスへと向かう緒方監督の足取りも重かった。昨季18勝7敗とカモにした虎に屈辱的な逆転負け。言葉には自責の念がにじんだ。

 「こういう結果になったのはオレの責任。9―0をひっくり返されたのは、自分の中で記憶にない。絶対に取らなければいけない試合だった」

 岡田の突然の乱調がすべてだ。立ち上がりから本来の制球を欠いてはいたが、4回までは1安打無失点。だが、5回に先頭・鳥谷への四球から1点を返されると、6回にはまるで別人のように制御不能に陥った。

 3イニング連続となる先頭・高山への四球を端緒に無死二、三塁のピンチを招き、内野ゴロで2点目を失う。代打・キャンベルを空振り三振に斬って2死までこぎつけたが、踏ん張り切れない。四死球に鳥谷の一塁適時内野安打、暴投が絡んで4点目を献上。梅野にも四球を与えたところで、首脳陣は交代の断を下した。

 「(フォームを)修正し切れなかった。前半にあれだけ点を取ってもらったのに、チームに申し訳ないです…」

 うなだれる岡田。ベンチは4連投の中田を投入したが、負の連鎖は止められず、押し出し四球の後、高山に3点三塁打を許し、1死も奪えないまま降板する。3番手に薮田を送って何とか1点リードを守ったものの、回をまたいだ7回に長短4安打を浴びるなどして一挙3失点。悪夢だった。

 「ああいう場面で踏ん張れるのが、今年の(岡田の)一番の成長だったんだけどね…。最低限6回までは頑張ってほしかった」。先発した右腕への期待が大きいだけに、指揮官は失望感を隠さない。登板過多気味の救援陣にも言及し、「投げられる人に投げてもらう」と悩ましげに語った。

 チーム打率はリーグトップでも、防御率はリーグワーストという現実。130個を超える四死球も断トツの多さだ。打線が好調なうちに、投手陣の立て直しを図りたい。(江尾 卓也)

続きを表示

この記事のフォト

2017年5月7日のニュース