面談重ね反省確認…巨人 高木元投手と育成契約へ

[ 2017年3月23日 08:37 ]

高木京介元投手
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 巨人は22日、高木京介元投手(27)から復帰申請書を受け取ったことを発表した。野球賭博に関与したとして、昨年3月22日に日本プロ野球機構(NPB)から1年間の失格処分を受けていた。23日にも意見書とともに熊崎勝彦コミッショナー(75)に復帰申請を行う。認められれば育成選手として契約する方針だ。NPBによれば、野球賭博に関与した選手の現役復帰は初めてのケースとなる。

 あれから1年。失格処分明けとなったこの日、高木元投手が巨人に復帰申請書を提出した。森田清司総務本部長は「一両日中に意見書をまとめて、熊崎コミッショナーに提出する予定です。意見書では高木君の復帰をお願いすることになる」と球団の考えを明かした。

 1年間の失格処分中、球団は定期的に高木元投手と面談を繰り返してきたという。「どのように取り組んできたかは把握している。かなり深く反省しているものと受け止めています」と森田総務本部長。球界を大きく揺るがし、社会問題にも発展した事件。球団側も慎重に協議を重ね、高木元投手の反省への思いを感じ取った。

 森田総務本部長によると、復帰申請書には「周囲、高校、大学時代の恩師とか、かつての学生時代の仲間が、“ぜひ復帰を目指して頑張れ”と応援してくれた。その人たちに恩返しをするには復帰しかないと思い、復帰申請をした」といった趣旨の内容が記されていたという。高木元投手はこの1年、母校の国学院大や都内のジムで練習を重ねてきた。その間、支えになったのは、家族や周囲の関係者だった。

 球団は23日にも、熊崎コミッショナーに意見書を添えて復帰申請を行う。その後は判断を待つことになり、認められれば育成契約を結ぶ方針だ。「原点から再スタートを切ってほしい。そういった意味から育成契約を検討している」と森田総務本部長。1年間の失格処分という社会的制裁を受け、プロ野球界復帰後も厳しい環境から再出発させる。1年間の失格処分を受け入れ、鍛錬を積んできた高木元投手が再び動きだした。

 ◆高木 京介(たかぎ・きょうすけ)1989年(平元)9月5日、石川県生まれの27歳。星稜3年夏に4番で甲子園出場。国学院大では3年秋に東都リーグで優勝した。11年ドラフト4位で巨人入り。12年にセ・リーグ新人記録となる29試合連続無失点を達成して日本一に貢献した。入団以来139試合連続で黒星なしのプロ野球記録を継続中。1メートル83、86キロ。左投げ左打ち。

 ▽失格選手の復帰手続き 野球協約では失格選手が復帰を希望する場合(1)処分当時の所属球団に復帰の理由を記入した復帰申請書を提出(2)所属球団が復帰申請書に球団としての意見を添付してコミッショナーに提出(3)コミッショナーが復帰を正当かどうか判断――の過程を踏む。有期の失格選手の復帰は期限満了の翌日から申請でき、処分当時の所属球団に復帰しなければならない。

 ▼巨人の野球賭博問題 15年10月に球団が福田聡志投手の野球賭博関与を発表。その後の調査で、笠原将生投手と松本竜也投手も野球賭博を行っていたことが明らかになり、同年11月に3投手の契約を解除。原沢敦球団代表は引責辞任した。16年3月には高木京介投手が野球賭博への関与を認め、球団は渡辺恒雄最高顧問、白石興二郎オーナー、桃井恒和会長の引責辞任を発表。3月22日に高木は契約解除となり、1年間の失格処分となった。

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