侍J菅野 高めで米打線封じた 敵将賛辞「メジャー級の投手」

[ 2017年3月23日 06:30 ]

WBC準決勝   日本1―2米国 ( 2017年3月21日    ドジャースタジアム )

<日本・米国>雨の中、6回1失点と好投した菅野
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 敗れた現実を受け入れるためには、時間が必要だった。試合後、侍ジャパン・菅野は「まだ(敗れた)実感が湧かない」と言い、自身の投球には胸を張った。

 「ほぼ完璧にできた。自分の野球人生でのキャリアになる」。6回2死。4番アレナドを直球2球で追い込む。最後もこの日最速の153キロで見逃しの3球三振。昨季ロッキーズで41本塁打、133打点のナ・リーグ2年連続2冠王を3打席連続三振に仕留めた。「大一番で力を出せた」と6回を3安打1失点(自責0)で6三振を奪った。

 雨が降りしきり、さらにUSAコールが続く「今まで味わったことのない独特の雰囲気」で、2イニング連続3者凡退から始まった。メジャーリーガーが並び、低めの球を強振する「ローボールヒッター」が多い米国対策は万全で「うまく高めのストレートを使うことができた」と振り返る。フォークも8球投じ、高低差を使った。敵将のリーランド監督も「メジャー級の投手だ」と称えた。

 ここまで2試合で計8回1/3を5失点。2次ラウンド第3戦のイスラエル戦で、千賀が好投する姿をベンチから見つめた。「準決勝は千賀でいくかもしれないな…」と思い「複雑な心境だった」という。今でも「小久保監督は先発を迷ったと思う」と話すが、指揮官からは「今、日本で一番いい投手」と大一番を託された。日本のエースは「大事なところで使ってもらって感謝している」と期待に応えてみせた。

 滑りやすいWBC球に対応するため、練習はもちろん、移動の際も常に持ち歩いた。「いろんな状況を想定した」と水に濡らして投球したこともあった。だからこそ、雨中でも制球を乱さず、81球で6回を投げきった。「人生を懸けるくらいの気持ちでマウンドに上がった」。援護に恵まれなかったが、有言実行の投球に変わりはない。 (神田 佑)

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