エルド 3戦連発も黒田勝たせられず 新井も無念「気迫凄かった」

[ 2016年10月26日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ第3戦 ( 2016年10月25日    札幌D )

<日・広>2回1死一塁、エルドレッドは右越えに逆転の2ランを放つ
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 思いは一つだった。今季限りでの引退を表明している黒田のシリーズ初登板を勝利で飾るため、赤ヘル打線は燃えた。口火を切ったのはエルドレッドだ。0―1の2回1死一塁。フルカウントから有原の外角カットボールを仕留めた。

 「コンパクトな打撃を心がけた。うまく芯でとらえることができた」

 第1戦から3試合連発となる右翼席への逆転2ラン。胸を張り、巨体を揺らしながらダイヤモンドを一周するとベンチ前で待つ黒田とハイタッチを交わした。日本シリーズでの3戦連発は03年の阪神・金本知憲(現阪神監督)以来、13年ぶり5人目の快挙だった。

 北の大地でも持ち味のパワーを示した。だが助っ人は結果的にチームを、黒田を勝たせられなかったことを悔いた。

 「彼のためにも素晴らしい試合がしたかった。僕たちはベストを尽くして頑張ったが、彼に勝ち星を付けてあげることができなかった」

 4番一塁でシリーズ初先発し、10回2死から中前に初安打を放った新井もそうだ。「気迫がすごかった…。気合がものすごかった。伝わってきた」。鬼気迫る表情で相手をねじ伏せる男の熱い気持ちに応えたかった。

 敗れはしたが、9回に同点に追いつくなど打線は身上の粘りを見せた。チーム全員の思いはブレない。黒田とともに32年ぶり日本一へ再び、歩み出す。(桜井 克也)

 ≪広島では初めて≫エルドレッド(広)が3戦連続となる3号逆転2ラン。日本シリーズの3試合連続本塁打は03年第3~5戦の金本(神)以来5人目の最多タイ記録で、広島では初めて。第1~3戦に限れば、85年バース(神)、00年城島(ダ)に次いで3人目だ。また、広島で同一シリーズ3本塁打は80年水谷、ライトル、84年衣笠、長嶋に並ぶ最多タイ。歴代最多記録は10人で12度の4本塁打となっており、シリーズ初の4試合連続本塁打とともに本塁打数タイ記録の期待が懸かる。

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2016年10月26日のニュース