大谷、第1戦先発ポロリ 紅白戦1回2失点も「1戦目までに…」

[ 2016年10月6日 05:40 ]

<日本ハム紅白戦>初回2失点を喫した大谷は悔しそうな表情。右はレアード
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 日本ハムの大谷翔平投手(22)が5日、本拠・札幌ドームで行われる12日のクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第1戦の先発を自らカミングアウトした。ここまで栗山英樹監督(55)は明言を避けていた。この日は紅白戦に白組で先発し1回3安打2失点。7日ぶりの実戦マウンドで元気な姿を見せた。おちゃめな告白はエースの自覚でもある。見据えるのは一つ、日本一のみだ。

 決して納得のいく紅白戦ではなかったが、自信が揺らぐことはない。大谷は覚悟を決めた。「技術うんぬんよりも気持ちを持っていくことが大事。気持ちを持って1戦目に入れればいい。まだ時間はある。1戦目までに仕上げたい」。1戦目…とは、CSファイナルS初戦。栗山監督をはじめ誰も言及してこなかった「開幕投手」のミッションを、自ら明かした。

 9月28日の西武戦(西武プリンス)で優勝決定試合では史上初となる1―0完封を達成して以来、7日ぶりの実戦登板だった。1回25球を投げ、1死二塁で迎えた陽岱鋼から3連打を浴び、2点を失った。レアードの打席では打ち取った当たりが天井を直撃し、打球がフェアゾーンに落ちて適時打になる不運もあった。

 それでも、直球は最速156キロをマーク。100キロのスローカーブを披露するなど脱力したフォームから最大56キロの緩急差を駆使して打者との感覚を確かめた。12日の本番前最後の実戦登板を終え、「これで十分」と万全を強調。「気持ち良く打たれたら打たれたでいいと思っていた。これで打線が(CSで)打ってくれると思う」とちゃめっ気たっぷりに笑う余裕さえあった。

 栗山監督は大谷のカミングアウトを伝え聞いても初戦先発の明言はしなかったが、「全員が1戦目に向かっていくつもりでいてくれないと困る」と話した。第1戦はDHを解除する「リアル二刀流」での出場も見込まれている。相手はソフトバンクでも、ロッテでも構わない。“自分が”という自覚と責任感がまさに表に出た形の、エースの告白だった。

 昨季は2位で迎えたCSファーストSで3位・ロッテに下克上を食らう悔しさを味わった。「1位で(CSを)迎えるのは初めて。そういう気持ちは違う。短期決戦なので、良い投球をするより勝てればいい」と大谷。大事な大事な初戦を必ず取り、頂点へと駆け上がる。(柳原 直之)

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