高山 別当薫超え!虎新人歴代6位115安打 規定打席も到達

[ 2016年8月31日 07:56 ]

<中・神>5回1死、高山は中越え二塁打を放つ

セ・リーグ 阪神3―9中日

(8月30日 ナゴヤD)
 敗戦にも未来への光はある。また一つ、阪神・高山が確かな成長の足跡を残した。シーズン規定打席(443打席)に到達した5回の第3打席。バルデスから中越え二塁打を放ち、節目の打席を自らの快音で祝った。

 「あの打席はスライダーだけを待っていた。結果的に良かったです」

 配球を読み切った納得の一打だ。第2打席では外角直球に手が出ずに見逃し三振。ズルズルと引きずらない気持ちの強さがある。待っていた初球スライダーを一閃(いっせん)した打球は勢いよく中堅方向へ一直線。フェンス最上部に直撃させた。初回の左前打を合わせて34度目のマルチ安打を記録。115安打に積み上げ、48年の別当薫(114安打)を抜き、球団新人単独6位に躍り出た。

 「やっぱり1軍クラスの投手相手に対応するためには、自分がずっと同じではいけないと思う」

 シーズンも佳境に突入した今、相手からの攻められ方は開幕直後と比べて格段に厳しさを増している。「初球に甘い球とかは来ないです」と痛感する上で継続的に結果を残すためにはどうするか―。試行錯誤の末に打撃フォームの初動を少しだけ早くする答えにたどり着いた。

 「その(初動を早くする)意識はありますね。対応という意味で、球を長く見たいというのもある」

 トップを早めに固定した打撃フォームで、より安定した視点から球を見極められるようになった。相手の研究よりも一歩先を行く姿勢は新人離れしている。

 「(惜しくも本塁打に届かなかった二塁打に)惜しいとか、そんなものは全然関係なくて、他の打席でも納得いかないところがあった。いろいろと悔しい試合でしたね」

 球団新人でシーズン規定打席を達成したのは01年の赤星憲広(スポニチ本紙評論家)以来。2リーグ制以降では史上10人目の快挙にも反省の表情で最後の打者に終わった悔しさをにじませた。偉大な先輩に並んでも歩みは止めない。 (久林 幸平)

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2016年8月31日のニュース