【中畑清の視点】ベンチで声援 勝利を呼んだ降板後の阪神・岩貞

[ 2016年8月22日 09:00 ]

<巨・神>7回を3安打1失点と好投した岩貞

セ・リーグ 阪神4―1巨人

(8月21日 東京D)
 感動するのはリオ五輪だけじゃないね。「伝統の一戦」にふさわしい緊張感あふれる投手戦。巨人・高木、阪神・岩貞ともに失投をスタンドに運ばれ、1―1の同点で降板したけど、阪神に勝利を呼び込んだのは降板後の岩貞だ。

 ベンチに残って声援を送り続ける。野球はベンチにいる全員で戦うスポーツ。岩貞の姿勢が上本の同点弾を呼び、流れをつくった。9回1死二塁の守りでは福留が小林誠の右前のライナーを飛び込んで好捕。ピンチをしのいで10回には上本が敬遠された直後に北條が決勝の右中間二塁打。その裏無死一塁から、鳥谷が坂本の不規則バウンドの打球を止めたのもベンチの一体感から生まれたプレーだ。

 巨人にとっては痛い一敗。でも、高木の力投が収穫だ。真っすぐにこだわる投球で8回1失点。先発ローテーション復活を印象づけた。「リメークドラマ」には、23日からの広島との直接対決3連戦3連勝が絶対条件になるけど、先発陣に貴重な駒が戻ってきたのは大きいね。(スポニチ本紙評論家)

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2016年8月22日のニュース