フィリーズ内野手 防球ネットのない本拠地に不満吐露「時代遅れだ」

[ 2016年8月22日 14:21 ]

フィリーズのフレディ・ガルビス内野手 (AP)

 米国のUSAトゥデー紙(電子版)は21日、フィリーズのフレディ・ガルビス内野手(26)がファンをファウルボールから守るネットが設置されていない本拠地シチズンズバンク・パークに不満を抱いていると報じた。

 フィリーズは20日にホームでカージナルスと対戦したが、この試合でファウルボールが観戦していた少女に直撃するアクシデントが発生。その後、少女は病院に搬送されたが、幸いにも無事だった。

 昨季から同様の事故が多発していることから、大リーグ機構は各球場に防球ネットの設置を推奨しているが、対応はまちまち。日本のようにベンチ上にネットを設置する球場もあったが、シチズンズバンク・パークは微増させるに留まっていた。そうした状況でのアクシデント発生。ガルビスはファンの安全が確保されないことに我慢ならなかったようだ。

 「今年は何年?2016年だろ?2016年になるというのに、いまだにこんな事故が起こり続けているんだよ。防球ネットを設置しようじゃないかと言われているこの時代にね。ファンはお金を払っているのだから、安全が確保されて当然だろ?試合のスピード化などは議論されるけれど、ネットを設置してファンを守ろうという話はしないわけ?」。

 幼いファンがファウルボールの犠牲になる姿を目の当たりにし、ガルビスは相当ショックだった模様。コメントはさらに続いた。

 「ファウルボールでファンが歯を失い、鼻が折れ、失明したら最初はマスコミが取り上げて関心を集めるだろうけれど、3日もすればそんなことがあったことすら忘れられてしまう。でも、当事者は違う。そんな経験を忘れるわけがないだろ。自分の言っていることは嘘ではないよ。何よりも優先すべきは安全。安全第一だよ」。

 この熱い思いが通じたのか、フィリーズの球団幹部は声明を発表。推奨される基準を満たすため、来季に向けてシチズンズバンク・パークの防球ネット増設を検討するとの考えを示した。

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