甲子園出場校 取材で気付かされる“チームカラー”

[ 2016年8月20日 11:20 ]

<木更津総合・唐津商>2回1死二塁、木更津総合・細田はバットを短く持ち適時打

 甲子園に出場する高校には、チームごとの色がある。監督、選手、コーチを取材していると、感心したり、驚いたりすることが多い。

 春夏連続8強入りした木更津総合(千葉)は、バットを長く持って打つ選手はいない。五島卓道監督は「目いっぱい長く持っても、少し短く持っても、飛距離はそんなに変わらない。だったら、より確実にミートできるようにした方がいい」と説明する。今夏甲子園では2試合連続完封したエース・早川が目立ったが、しぶとい打線も印象に残った。

 チーム打率・197。49代表校で最も低かった大曲工(秋田)は、初戦の花咲徳栄(埼玉)戦で1―6で敗れたが、意地は見せた。今秋ドラフト候補に挙がる高橋昂から10安打。6回に三盗を決めた佐渡は、試合後に明かした。「高橋投手はフォークの握りでセットに入ったら、二塁へのけん制はない。だから思い切ってスタートを切った」。対戦が決まると、チーム全員で好投手を分析。成果はあった。

 境(鳥取)の3番打者・勝部は1メートル75、88キロと立派な体格をしていた。鳥取大会では3本塁打を放った右の大砲だ。飛距離の源を聞くと「唐揚げです」。ウエートトレーニングはしない。日々の打撃練習で鋭いスイングを繰り返すことを意識しているという。学校で食べる日々の弁当には必ず唐揚げを入れてもらい「唐揚げは、ほぼ毎日食べる」。甲子園入り後は宿舎で夕食を済ませてから、こっそりコンビニへ。目当てはもちろん「唐揚げ」だ。試合前夜も、そのルーティンは変えなかった。

 初めて甲子園で2勝を挙げた盛岡大付(岩手)では、関口清治監督が選手に繰り返す言葉がある。「チャンスをつくるのは実力。それをモノにするのは集中力」。打線は3試合で41安打で28得点。ナインは甲子園の舞台で、実力も集中力も発揮した。

 決勝は21日。今年の夏は、どんなドラマが生まれるだろうか。(記者コラム・川島 毅洋)

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2016年8月20日のニュース