野球少年よ、世界へ羽ばたけ!宮城で「MLB杯」開催

[ 2016年8月12日 10:21 ]

大リーグのロゴマークがプリントされた石巻市総合運動公園野球場

 大リーグの公式ロゴマークが一、三塁側に映える人工芝の球場。そのグラウンドに立った野球少年たちの表情は最高に輝いていた。エクスポズ(現ナショナルズ)、巨人などでプレーしたウォーレン・クロマティ氏は「子供たちの顔を見ると、眠れていないようにも見えた。昨日の夜は凄くワクワクして眠れなかったんじゃないかと思う」と表現した。

 今年からリトルリーグの小学4、5年生を対象に新設された「MLB杯」。野球人口拡大を目的にMLBジャパンが「学年の小さい選手の大会をやってみましょう」と日本リトルリーグ協会とタッグを組んで始まった大会だ。今春から全国150以上のチームが参加して予選を開始。勝ち抜いた16チームが宮城県石巻市の石巻市総合運動公園野球場に集まり、8月6日から2日間のトーナメント方式で戦い、初代王者には武蔵府中リーグが輝いた。東日本大震災で被災した同球場は、大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会からの寄付金100万ドル(約1億円)などを改修費用とし、公式ロゴマークも入れられた。

 リトルリーグといえば、早実の清宮が東京北砂リトル時代に12年の世界大会に出場。史上最長の94メートル弾を放ち、「和製ベーブ・ルース」の異名とともに「清宮伝説」がスタートした。日本リトルリーグ協会の坂谷内(さかやち)実会長は「(リトルリーグの世界一を決める)ワールドシリーズを目指して練習を重ねてほしい」とこの大会をきっかけに世界へ羽ばたくきっかけをつかんでもらいたいと願っている。「MLB杯」から「第2の清宮」が生まれる可能性も十分にあるだろう。

 ドジャース、メッツでプレーした石井一久氏(スポニチ本紙評論家)も大会の発展を願う1人だ。「今はまだ小さい大会かもしれないけど、大きな大会になるように頑張っていきたい。参加チームが増えればレベルの高い大会になると思う」。仙台東リーグの原野泰成主将(5年)は「人工芝の球場で野球をやるのは初めて。こういう大会をつくってくれて感謝したい。将来はプロ野球選手や大リーガーになりたい」と目を輝かせた。この大会がどのように発展し、大リーガーを中心とした輪がどのように広がっていくのか。今後の行方を見守っていきたい。(記者コラム・東尾 洋樹)

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