阪神・岩貞 メヒアに“倍返し” 夢舞台で復活2回零封 

[ 2016年7月17日 07:52 ]

<全セ・全パ>3回、力投する岩貞

「マツダオールスターゲーム2016」第2戦 全セ5―5全パ

(7月16日 横浜)
 痛快な「倍返し」だ。全セの岩貞(阪神)が標的を仕留めたのは4回。1死一塁でメヒアを迎えた。6月3日の西武戦(甲子園)の3回2死から満塁弾を浴びた天敵を追い込み、最後はチェンジアップで遊ゴロ併殺。あの時奪えなかったアウト1個を2個に変えリベンジに成功した。

 「(対メヒアは)勝手に自分だけ、意識してました(笑)。最後は真っ直ぐで行こうかと思いましたが、やられているので、しっかりチェンジアップで併殺に打ち取れて良かったです」

 2番手で登板すると3回にも1死一塁から岡島を直球で二ゴロ併殺。前半戦だけでリーグ4位の94奪三振を記録した男が「ゴロ魔神」と化して任された2イニングを6人で料理し無失点に封じた。

 胸が震えたあの時も、ここ横浜だった。今季初登板となった4月2日のDeNA戦。プレーボール直前に、金本監督に呼び出され、言われた。

 「お前、緊張してんのか?もう1回チャンスやるから、遊んでこい」

 最初は状況を飲み込めなかったという。

 「監督が何のことを言ってるのか分からなくて“えっ”て聞き直したんです。そしたら“打たれても、もう1回チャンスやるから、遊んできたら”と。もう1回チャンスがあるという安心じゃなくて、監督の思い、言葉に絶対に応えようと。絶対に引かないという気持ちが湧いてきました」

 前半戦、先発陣をけん引した超変革の申し子は、夢舞台での躍動をベンチで見守る指揮官にしっかりと届けた。

 「いい勉強ができた。(球宴の収穫は)いろいろ、ありますけど、自分の中で(とどめます)」

 第1戦は母・多恵子さん、この日は昨秋に結婚した妻を招待した。自身5連敗中で不振脱出のきっかけもつかみにきた球宴。大学時代の汗と涙の染みこんだ横浜のマウンドで“リスタート”を切った。 (遠藤 礼)

 ▽岩貞の対メヒア満塁被弾 6月3日の西武戦(甲子園)0―0の3回2死満塁。カウント0―1からの2球目、真ん中高めに甘く入った144キロ直球を左中間スタンドへと運ばれた。リズムを崩した岩貞は5回2/3を自己ワースト9失点で負け投手に。プロ入り初の満塁被弾だったが、その後6月19日城所(ソ)と7月3日福田(中)にも打たれている。

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2016年7月17日のニュース