【東東京】“走る捕手”帝京・郡 1イニング二盗&三盗&本盗達成

[ 2016年7月17日 05:30 ]

<正則・帝京>6回、中飛に倒れる帝京・郡

第98回全国高校野球選手権東東京大会3回戦 帝京4―2正則

(7月16日 神宮)
 オコエが足で魅せた昨夏から1年。同じ東東京大会に足で観客の度肝を抜く男が現れた。帝京・郡が今夏初戦の3回戦・正則戦で、同一回に二盗、三盗、本盗を続けて決める「パーフェクトスチール」を達成。完璧なスタートでダイヤモンドを駆け回り「自分には足がある。 隙があれば狙っていくスタイルでやっている」と胸を張った。

 2点リードの4回。先頭で左前打を放つと、続く6番・田中麟の初球、3球目で二盗、三盗をマーク。さらに8番・秋葉の初球で猛然と突入して本盗を決めた。貴重な追加点を挙げ、前田三夫監督を「よく突いた。完璧だった」とうならせた。

 50メートル6秒ジャストの俊足。甲子園春夏通算51勝の名将は「とにかく“走り好き”。失敗はほとんどない。(森本)稀哲みたい」と教え子になぞらえて信頼を寄せ、走者に判断を任せる「グリーンライト」を与えている。夏初戦はしめて4盗塁。信号は終始、青だった。

 2年春から中堅手のレギュラーを獲り、昨夏は二塁手。昨秋から捕手を務める。どんな位置もこなせる高い身体能力が持ち味で、遠投120メートルに二塁送球1・9秒の強肩。6球団のスカウトが視察し、日本ハム・岩舘学スカウトは「足も使える捕手というのが好印象。代走から捕手に入るとか新しいタイプの捕手になれそう」と評価した。

 試合は4―2の接戦。郡は「初戦の入りの難しさを感じた。一日を大切に過ごしたい」と言い、11年夏から遠ざかる聖地への切符をにらんだ。

 ◆郡 拓也(こおり・たくや)1998年(平10)4月25日、東京都生まれの18歳。小1から野球を始める。三鷹一中時代は武蔵府中シニアに所属。家族は両親と帝京OBの兄・泰輝(現仙台大)。1メートル78、75キロ。右投げ右打ち。

 ≪プロは過去16度≫プロ野球で1イニングに二→三→本盗を決めた例は過去16度。島田誠(日)が79年6月5日の西武戦で成功したのが最後。

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