ロッテ石川 直訴の完封7連勝 ベンチからブルペンに直電“断り”

[ 2016年7月3日 05:30 ]

<ロ・オ>お立ち台で「ナバーロひげ」をつけた石川に“あいつのヒゲはもっと上向いているんだ”とばかりにいじるデスパイネ

パ・リーグ ロッテ6―0オリックス

(7月2日 QVCマリン)
 異色の光景があった。8回を投げ終えてロッテベンチに戻った石川が受話器を握った。電話の向こうはブルペン。小林投手コーチに「9回もいきます」と伝えた。

 「(9回は)西野って言ったんだけど、石川が直訴した」と伊東監督。守護神投入の方針はベンチの落合投手コーチからブルペンの小林コーチに伝達済みだったため、落合コーチは「自分でかけろ」と言ったのだった。

 完投志願の右腕は最後は2死二、三塁のピンチを切り抜け、昨年6月30日の楽天戦(QVCマリン)以来の完封勝利。球団では93年伊良部以来の登板7試合連勝を飾り、9勝目はリーグトップタイだ。自己最多134球を投げ、お立ち台では「疲れました」という言葉を3回も使った。

 価値ある完投だった。試合前、リーグ1位の18ホールドを誇るセットアッパーの内が右肘痛のため出場選手登録から外れた。夏場を迎え、中継ぎ陣の負担は大きくなる。石川は「(内の離脱は)関係ないです」と話したが「救援陣を休ませることができた?」という問いかけに「そう言ってもらえるとうれしい」と笑みをこぼした。

 いつもは落合投手コーチに「いけるか?」と聞かれても「ちょっと…」という反応ばかりだという。同コーチは「嘘(うそ)でもいいから“いけます”と言ってほしい。完投するタフさが欲しい」と話していたが、その期待に見事に応えた。

 前回登板の6月24日の西武戦(前橋)は5回5失点ながら、打線の援護で勝った。中7日の調整期間は瞬発系のトレーニングを増やして体の切れを上げた。糸井から2つの見逃し三振を奪うなど、直球が走った。

 球団初の新人からの3年連続2桁勝利に王手をかけ「奇跡っすね。頑張ります」と石川。連敗を2で止め3位転落の危機を救った奮闘を、伊東監督は「ハラハラだったけど完封してくれた。福岡で(ソフトバンクに)2つやられていたので絶対に落とせなかった」と称えた。 (渡辺 剛太)

 ≪7戦7勝は伊良部以来23年ぶり≫石川(ロ)が今季初の完封でリーグ最多タイの9勝目。完封は自身4度目で、全て本拠QVCマリンで達成。これで5月17日西武戦から7戦7勝。ロッテで7連勝は13年に古谷が8連勝して以来だが、勝敗なしを挟まず7試合で7勝は93年伊良部が8月15日の日本ハム戦から9月28日西武戦にかけて7戦7勝して以来23年ぶり。

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