【中畑清氏の視点】大谷“真の二刀流”目指せ 規定投球回&打席到達が条件

[ 2016年6月7日 11:50 ]

日本ハムの大谷

 未知との遭遇、163キロ。凄い。野球のレベルはどこまで上がるんだろう?と思わせてくれる。打っては打球の飛距離がグンと伸びた。日本ハム・大谷翔平。投打ともに超一流のスーパースター、日本球界の宝であることは間違いない。

 今シーズンが始まるまでは投手一本にすべきだと思っていた。20勝するのが難しい時代に、その可能性を持った選手。将来的にメジャーを視野に入れているとしたら、向こうは投手一本を要求してくるはずだしね。

 でも、今は打撃を見るのもめっちゃ楽しみ。大きく進化している。投球同様のパワーだけじゃない。ぎりぎりまでボールを呼び込び、鋭く体を回転させて投球を捉えるから差し込まれたように見える打球が逆方向へ伸びてスタンドイン。長くボールを見ているから変化球にも対応できる。

 これなら本人が二刀流にこだわるのも分かる。どうせやるならとことん「真の二刀流」を追い求めてもらいたい。

 「真の…」と言うには規定投球回と規定打席のダブル到達が条件。ローテーションを守ればチーム試合数×1の規定投球回は問題ない。難しいのは同×3・1の規定打席。今のように登板前後に休養日を挟んでちゃ届かない。休めるのはせいぜい週1試合。登板前日だけになる。

 体力的にこれが可能かどうかだけど、若いうちなら無理も利く。21歳の今からせいぜい26、27歳までかな。ちょうどプロ入り9年で海外FA権を得られるかどうかのタイミング。日本で二刀流のロマンを追求し続けるかメジャーという次のステージを選択するか。いつどういう決断をするか気になるけど、まずは規定打席にトライして誰もマネのできない「伝説」をつくってほしい。

 さて、交流戦。DeNAが元気いいね。早くも4勝(2敗)して去年の3勝(14敗1分け)を上回った。5月の快進撃を支えた石田と今永が打たれたと思ったら久保康が好投。誰か調子を落とせば誰かが出てくる。いいパターンだ。

 7日からソフトバンク3連戦。思い出すよ、去年の6月3日。ハマスタで柳田にバックスクリーン破壊弾を食らって12連敗が始まったんだ。ヤフオクドームでリベンジしてくれたら…。今後を占う戦いになるね。 (スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2016年6月7日のニュース