ソフトBバンデン デビュー10連勝 恩師は韓国時代の日本人コーチ

[ 2016年4月3日 06:30 ]

<日・ソ>来日10連勝を飾ったバンデンハーク

パ・リーグ ソフトバンク4―3日本ハム

(4月2日 東京D)
 42年ぶりの快挙だ。ソフトバンクのバンデンハークが74年の巨人・小川邦和以来、史上4人目のデビュー10連勝。サファテからもらったウイニングボールの行方を問われると「アナ!」と即答した。誰より、スタンドで見守った美人妻と喜びを分かち合いたかった。

 「勝つのはうれしい。とにかく今日一日を大事にする。終わったら次へ向け準備する。考えているのはそれだけです」

 9連勝した来日1年目の昨季から、さらに成長を見せる。初回先頭・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)への初球にいきなり152キロを計測した力強い直球だけではない。4回からは今季本格挑戦するチェンジアップを使った。4回1死二塁では谷口を134キロで泳がせ左飛。続く大野は2球目の133キロでファウルを打たせ、146キロの直球で見逃し三振に斬った。

 オランダ出身で、同国の名門サッカークラブ・PSVの熱いサポーター。マイヒーローは、オランダ代表の「トータルフットボール」の中心人物だった英雄ヨハン・クライフ氏だ。3月24日の同氏死去は大きなショックだったが、配球の幅を大きく広げた“トータルピッチング”で到達した節目の数字。「球種を交ぜてバランスを崩してやろうと思った」と剛柔自在の投球に胸を張った。

 東京ドームには13、14年の韓国・サムスン時代の門倉健投手コーチの姿があった。メジャー6年間で8勝(11敗)だった右腕は、同コーチの指導でクロスステップしていた癖などを修正。14年に最優秀防御率、最多奪三振と開花した。「いつも携帯電話でメッセージを送り合う」という恩師に雄姿を見せ、試合後は宿舎で旧交を温めた。

 「よく投げてくれた。ランナーを出しても抑えてくれた」と工藤監督。連勝街道は終着地を見せない。

 ≪最多は堀内の13連勝≫バンデンハーク(ソ)が昨年6月14日広島戦から無傷の10連勝。デビューからの10連勝以上は66年堀内(巨)の13連勝、42年藤本英(巨)、73、74年小川(巨)10連勝に次ぎ42年ぶり4人目で外国人では初めて。また、全て先発勝利もバンデンハークが初めてになった。ちなみに過去の3人はいずれも巨人の投手。堀内はV2の年に高卒1年目で達成。藤本英は唯一1リーグ時代の記録でシーズン後半戦に入ってから一気に白星を積み上げた。小川はV9年と、V10を逃したシーズンにまたがっての記録。10連勝目のみが先発で、それ以外は救援で挙げたものだった。

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