早実・清宮 規格外大ファウル 隣の神宮球場にズドン 直後に高校通算36号

[ 2016年4月3日 05:30 ]

<早実・都町田>5回無死、隣りにある神宮球場スタンドへ飛んで行った大邪飛の行方を見つめる早実・清宮

春季高校野球東京都大会1回戦 早実12―2都町田

(4月2日 神宮第2)
 早実の清宮幸太郎外野手(2年)が2日、今年初の公式戦となる春季高校野球東京都大会1回戦で高校通算36号アーチを放った。都町田戦に「4番・中堅」で先発し、5回の右越えソロを含む3打数2安打2打点。本塁打直前には隣接する神宮球場の外野席に大ファウルを放り込むなど、相変わらずの怪物ぶりを見せつけた。試合は12―2の6回コールドで大勝した。

 ファウルも規格外だ。5回、先頭の清宮が6球目の内角直球を思い切り引っ張ると、打球は一塁側場外へ消えていった。高野連関係者がボールを捜しに行くと、着弾したのは隣の神宮球場の左翼席最前列。神宮第2球場はゴルフ練習場も兼ねているが、高さ22メートルの屋根を飛び越え、15メートルの神宮球場左翼壁をも越えた。

 推定飛距離は100メートルだが、ミスショットのファウルでそこまでの高さと距離が出るのは清宮ならでは。50年以上携わる高野連関係者も「あんなの見たことがない」と目を丸くしたほどだった。

 直後の7球目。今度は緩く入ったカーブを引きつけて、高校通算36号のソロを右翼に叩き込んだ。「内角直球を大きなファウルにしたのでもう直球は来ないと踏んでいた。ちょっとこすったけど、良いホームランだった」と自画自賛した。

 昨年10月12日、秋季東京都大会2回戦で二松学舎大付に敗れてから、冬の間はじっくりと体をつくった。スクワットやベンチプレスなどウエートトレーニングに励み、体重は2キロ増の99キロ。「軽く振っても飛ぶなと感じる」。軸が固まってきたことで「あまりスエー(体が突っ込むこと)しなくなった」と言い、以前なら打ち損じていた緩い変化球にも我慢して対応できるようになった。ミスショットが減り、3月18日の練習試合解禁から11戦14発。「(通算)80本を打ちたい」という夢も十分狙えるペースだ。

 公式戦初の中堅守備では4回1死一、二塁で浅い中前打を処理し、本塁を狙った二塁走者を刺して初補殺も記録した。昨秋はセンバツ出場を逃し、聖地で躍動する同学年の選手をテレビで見て「なんで自分たちは練習しているんだろう」と悔しさがこみ上げた。16強以上に夏のシード権が与えられる今大会。2年連続夏切符への挑戦が始まった。 (松井 いつき)  

 ▽1回戦 (神宮第2)
都 町 田
 100 010―2
 400 215X―12
早 実
 (町)宍戸、西内、宍戸―野口
 (早)吉村、服部―小掛
 [本]金子、清宮(早)

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