チア集結、海外展開…革新の象徴、PLMがプロ野球ビジネスを変える

[ 2015年12月24日 11:00 ]

 パ・リーグ6球団のチアリーディングチームが一堂に集結。来年1月10日に大阪市のオリックス劇場でイベントを開催する。仕掛けたのは6球団の合同事業会社であるパシフィックリーグマーケティング株式会社(PLM=村山良雄社長)だ。

 「パ・リーグ ダンスフェスティバル」と銘打ち、球場の華たちがダンスバトルや私服のファッションショーを繰り広げる。1万8000円の高額シートは、発売間もなく完売した。熱心な野球ファン以外も足を運ぶ企画であり、新規客の開拓にもつながる。

 PLMは斬新なビジネスを展開し続ける。台湾、韓国、中南米への放映権売却の試みや海外観光客の球場への誘致。試合動画を配信する「パ・リーグTV」では、今年10月に女子ゴルフツアーとコラボして「富士通レディース」を中継。全選手のプレーが個別視聴でき、その使用クラブ、ウエアなどを通販で購入可能にするネットの特性を生かした画期的なサービスを提供した。

 「コミッショナーは金もうけができるビジネスマンがふさわしい」と球界トップの人選に変革を主張するパ・リーグは時に商売優先と批判を受ける。だが、PLMの村山社長は「ビジネスの強化は結局ファンが得をする」と言い切る。「入場料以外の収入が増えれば、チケットを半額にすることもできる」。

 やっぱり、お金は大事なのだ。12球団の独立採算制で運営してきた日本のプロ野球は「リーグビジネス」の意識が低い。十数年前までは日本と同じ1500億円程度の産業だった大リーグも経営にたけたコミッショナー主導で放映権の売却や市場拡大を行い、年間1兆円規模に成長した。

 PLMは米ハーバード大と連携し、スマートフォンを使った健康推進アプリの開発や学習と野球を連動する「パ・リーグ学校」など今後も画期的な企画を進行中だ。パにあってセ・リーグにはないのが、DH制とリーグビジネスを専任する事業会社。人気のセ、実力のパは死語。今や「伝統」のセ、「革新」のパ。それを象徴するのがPLMだ。(君島 圭介) 

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2015年12月24日のニュース