広島 24年ぶりV完全消滅…緒方監督“このまま終わらん”

[ 2015年9月25日 05:30 ]

<巨・広>9回1死、空振り三振に倒れたエルドレッド(右)の奥で険しい表情の緒方監督

セ・リーグ 広島0―2巨人

(9月24日 東京D)
 24年ぶりの優勝に向けた戦いは終わった。広島は24日、巨人戦(東京ドーム)に敗れ3連敗。首位ヤクルトが勝利を収めたため、優勝の可能性が完全消滅した。先発・野村が7回2失点と力投しながら、打線が援護できず2試合連続、今季15度目の零敗。3年連続クライマックスシリーズ(CS)進出に向け、緒方孝市監督(46)はナインの最後の意地に期待を寄せた。

 現実が重くのしかかった。常に闘志を前面に押し出し、前を向いてきた指揮官の口調に普段の力はなかった。緒方監督は悲壮な決意を込めて、言葉を紡ぎ出した。

 「このままズルズル行くわけにはいかない。このまま終わったら、最初からウチは上に行くようなチームではなかったということを証明することになる」

 悲願の24年ぶり優勝の可能性は消えた。残り9試合は3年連続CS進出に目標を切り替えると同時に、カープの「底力」を証明する時間となる。

 今季を象徴する試合だった。巨人先発・マイコラスに対し好機を作ることすらできず。3回まで完全投球だった野村が4回1死二塁から坂本に先制2ランを浴びると2点のビハインドが果てしなく高いハードルとなった。絶好の同点機だった8回2死二、三塁で中飛に倒れた菊池は「みんな何とかしたい一心でやっている。ただ、それがうまくいっていない」と険しい表情で唇をかんだ。

 首位ヤクルトと3・5ゲーム差で突入した勝負の12連戦は7戦終了時点で1勝6敗となり、7・5差にまで開いた。終盤戦の疲労度か、逆転優勝への重圧か。赤ヘル軍団は勝負どころで完全に失速した。

 最大の目標を失った。だがプロとして、戦いを放棄するわけにはいかない。リーグ優勝が悲願なら、3年連続CS進出は最低限のノルマ。今後は2・5差の3位阪神が最大の標的となる。菊池は「やることはいい意味で変わらない。僕らは一生懸命やるだけです」とこれまで通り、一戦必勝の姿勢を示した。

 指揮官は自らに言い聞かせるように話した。「もう1回、見つめ直して。明日から広島だから、もう1回ね。このままでは終われない」。25日から本拠地で阪神との直接対決3連戦。ナインが、首脳陣が、意地を見せる最後の舞台になる。 (桜井 克也)

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2015年9月25日のニュース