阪神4連敗…中村GMに白星届けられず、61日ぶり貯金0

[ 2015年9月25日 05:30 ]

<中・神>2回、ルナに押し出し死球を与えた二神(左)のもとへ向かう和田監督(右)

セ・リーグ 阪神2―4中日

(9月24日 ナゴヤD)
 阪神は24日、中日に敗れて4連敗。7月25以来61日ぶりに貯金がなくなった。首位ヤクルトと5ゲーム差、2位巨人とは3ゲーム差に後退。打線が9回では今季ワーストタイの14残塁とつながりを欠いた。9月は5試合を残して6勝11敗1分けとなり、和田阪神では4年連続で勝ち越しを逃した。前日23日に66歳で急逝した中村勝広ゼネラルマネジャー(GM)に手向けの白星を捧げることもできなかった。

 天国の中村GMが泣いている…。2点を追う9回無死。先頭打者の4番・ゴメス、続くマートンがわずか5球で打ち取られた。なおも2死一塁からは猛打賞の江越も空振り三振。反撃の兆しも見えずBクラスの中日に無抵抗の完敗を喫した。

 「前半もチャンスはあった。早い回に1点でも2点でも返せれば展開は変わっているんだけど」

 敗戦後、和田監督は力ない声で振り返った。2回に4失点。序盤に背負った大きなビハインドも痛かったが、それ以上に再三の拙攻が響いた。3回1死一、二塁で迎えたゴメスの第2打席。カウント2ボール2ストライクからの5球目、バルデスが投じた見逃せばボールのチェンジアップに手を出して遊ゴロ併殺打。続く5回の第3打席でも2死二塁から二ゴロに倒れた。前日23日の巨人戦(東京ドーム)から4番に復帰した助っ人が無安打に終わった。

 「塁は埋めるんだけど、あと一本が出ないな」

 指揮官が嘆くのも当然の内容だった。9イニングのうち7度も得点圏に走者を送りながら、決定打を欠き続けた。今季の課題がシーズン終盤の勝負所でも露呈してまった。この夜は相手を上回る12安打を放ちながら2得点。9イニングでは今季ワーストタイの14残塁を数えた。すでにBクラス確定している中日相手にお手上げだった。

 「もちろん、そういう(弔い星という)気持ちで選手もやったし、それでも勝てなかった。最後までそういう気持ちで。やっぱりGMも最後まで見てくれると思うしね」

 特別な思いで挑んだ一戦だった。前日23日に中村GMが急逝。和田監督をはじめ首脳陣、選手たちは前日の巨人戦後に訃報を聞かされた。本来であれば中村GMは歓喜を目指すチームに同行して名古屋にも来る予定だった。しかし、志半ばで、最終盤の戦いを見届けることなくこの世を去った。

 中村GMに弔い星を捧げることはできなかった。チームは4連敗で61日ぶりの貯金「0」。「勝負」と位置づけた9月は6勝11敗1引き分けとなり、和田阪神では4年連続で9月の勝ち越しなしが決定した。また12連戦の勝ち越しも消滅した。失速で首位のヤクルトとは5ゲーム差だ。それでも指揮官は語尾を強めた。「今、悪い流れというかね。それを明日のゲームで断ち切る。とにかく全力を尽くす」。残り7試合。猛虎の意地を見せつけろ!。そう、天国から聞こえてきそうだ。 (山本 浩之)

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