山田、連発!池山&青木超えで3年ぶりCS進出導いた!

[ 2015年9月25日 05:30 ]

<ヤ・D>3回無死、左越えソロを放ち祝福される山田

セ・リーグ ヤクルト4―2DeNA

(9月24日 神宮)
 ヤクルトの山田哲人内野手(23)が24日のDeNA戦で2打席連発し、4連勝に導いた。初回に11試合ぶりとなる先制の左越え35号2ランを放つと、3回にも左越え36号ソロ。球団では池山隆寛(現2軍野手総合コーチ)の日本人右打者の最多本塁打(34)、115得点で青木宣親(現ジャイアンツ)の最多得点(114)を更新した。2位・巨人も広島に勝ち、優勝マジック点灯はお預けも、3年ぶりのCS進出を決めた。26日の巨人との直接対決で勝つか引き分ければ、マジック3か4が点灯する。

 山田もこの時期の1勝の重みを感じていた。だからこそ、先制&中押しとなる2打席連続アーチで勝利をもたらせたことを素直に喜んだ。

 「とにかく勝ちたいという気持ちが強かったので、きょうのホームランはデカイと思います」

 思い切りと確かな技術に冷静な読みが融合した2発だった。初回1死一塁。左越え35号2ランは左腕・石田の初球、内角高めの厳しいコースの速球だった。「内角をノーマークにはしなかった」。鋭い回転と右腕を畳んでスタンドまで運ぶと、3回の左翼席への36号ソロはボール球に手を出さず、3ボール1ストライクから甘く入ったチェンジアップを叩いた。「変化球が来ると思ってタイミングを合わせていた」。タイミングさえ合わせられれば、どんなコースでも打てる。23歳にとって自然なことだ。

 トリプルスリーを確実にしている山田にさらなる勲章が加わった。シーズン36本塁打は球団の日本人右打者では89年池山の34本を抜き最多となった。さらに2得点で今季115得点とし、07年青木がマークした114得点の球団記録を塗り替えた。得点は山田が意識してきた数字だ。「最初は1番が多かったし塁に出てホームを踏むことを意識してきた。それ(得点)こそチームワークを感じる」と言う。「いずれは(背番号)1をつけたい。青木さんが23から1になって追いかけたい思いはあります」と尊敬する先輩の道を歩む。くしくも、池山も背番号1を背負った。

 長距離砲の概念を一切持たない。「打球に角度をつけようとか、考えたことはない」と言い切る。鋭いスイングスピードから生まれる飛距離は「副産物」だ。どれだけアーチを重ねても、自らのスタイルは崩さない。心の強さも支えている。

 4連勝。貯金は4年ぶりとなる10の大台に乗せ、まずは3年ぶりのCS進出を決めた。あす26日からは2ゲーム差で追う2位・巨人との優勝へ向けた最後の天王山を迎える。真中監督は「目標はCSじゃない。3連覇した巨人を叩かないと優勝はない」と覚悟をにじませた。山田の思いも一緒だ。「巨人戦は全然楽しみじゃないです。でも、結果が全て。結果に、勝ちにこだわる」。最強の3番打者の言葉はいつになく力強かった。(倉橋 憲史)

 ≪得点でゴジラにあと1≫山田(ヤ)が先制を含む今季5度目のマルチ本塁打でシーズン36本塁打。チームのシーズン最多本塁打は13年バレンティンのプロ野球記録60本だが、日本人の右打者では89年池山隆寛の34本を抜いて単独最多とした。またこれで今季115得点とし、07年青木の114を上回り球団新記録。セでは単独8位で、7位の00年松井秀喜(巨)の116にあと1とした。シーズン得点のプロ野球記録は、50年小鶴誠(松竹)の143。

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