和田、生涯打率・303で現役生活に幕「昔の中日ファンに戻る」

[ 2015年9月25日 05:30 ]

<中・神>ナインに胴上げされる和田

セ・リーグ 中日4―2阪神

(9月24日 ナゴヤD)
 独特のスイングから放たれた打球は一直線に左翼へ飛んでいく。これでユニホームを脱ぐには、あまりに惜しい当たりだった。2回、打者一巡の攻撃を呼び込んだ通算2050安打目が、中日・和田にとって最後のヒットになった。

 試合後のスピーチでは、声を詰まらせ、涙ぐんだ。「やりがいのある野球人生だった。小さい頃からやってきた野球がこれで本当に終わりだと思うと自然とそういう気持ちになった」。そして「これで昔の中日ファンに戻ります。後輩たちが強いドラゴンズを復活させてくれると思う」とあいさつすると、ナゴヤドームは大歓声に包まれた。

 ひたむきに過ごした19年間を締めくくる一戦。引退を表明しても「何も変わらない。勝利のためにベストを尽くすだけ」と言い続けてきた。現役最後の打席は5回。遊ゴロで、両膝に痛みを抱えながら必死で走った。「体が壊れてもいいから目いっぱいやる」という言葉に偽りなし。実直な男は最後まで全力プレーを貫いた。ここで交代。生涯打率・303で現役生活に幕を下ろした。

 試合後はマウンド付近で、背番号と同じ5度、ナインに胴上げされた。「とうとうされる側になっちゃったかという気持ちでした」。本拠地に惜別の拍手と歓声が響く中、4人の子供たちから花束を受け取った。その目にはまた涙があふれた。

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