“元祖カープ女子”85歳「一生の思い出」 本塁打なしも勝利の女神に

[ 2015年9月11日 06:47 ]

<広・中>ジョンソン(左)と石原(右)ともにお立ち台にたつホームランガールの草田カズヱさん

セ・リーグ 広島4-2中日

(9月10日 マツダ)
 広島が終盤に見せた逆転劇。誰よりも喜んだのは、「1日ホームランガール」を務めた85歳の草田カズヱさんだろう。

 「楽しかった。一生の思い出になります」

 普段は20代前半の女性が本塁打を打った選手に球団マスコット「スラィリー」の人形を渡すが、今3連戦では「元祖カープ女子」が特別に務めた。50代、60代の代表が続き、大トリが70代以上代表で60年以上もカープを見てきた草田さんだった。

 1―0の8回にノーヒットノーランを続けていたジョンソンが逆転を許した。その直後だった。無死一塁から38歳の新井が左中間に同点二塁打。「それまで2度の得点圏で凡退していたし、気合が入っていた」。なお2死満塁では36歳の石原が中前に勝ち越しの2点打を放ち、負ければ自力優勝の可能性が消滅する危機を救った。「ジョンソンに勝ちがつく場面だし、何とか打ちたかった」と女房役の石原。緒方監督も「きょうの勝ちは非常に大きい。ベテランが甘い球を一振りで、はじき返してくれた」と新井と石原を称えた。

 2人の年齢を足しても、長く生きている草田さん。年齢にちなんだ背番号「85」のユニホームをまとい、ベンチ脇で出番を待った。待望の一発は生まれなかったが、8回に逆転して「勝利の女神」となり「(今3連戦を)1勝1分けで来て、逆転された時は、私でケチをつけたくないと思っていたので勝ってよかった」と振り返った。この日9安打で1965年以来50年ぶりの19試合連続1桁安打に終わった。ちなみに、草田さんが35歳の時のことだった。

続きを表示

この記事のフォト

2015年9月11日のニュース