広島・大瀬良 リリーフ配置転換へ まず中継ぎ、機を見て守護神に

[ 2015年6月9日 06:30 ]

6月7日、大瀬良は楽天戦試合前の練習中、緒方監督(右)と話し込む

 大詰めを迎えているセ、パ両リーグの交流戦は、9日から最後の6連戦(雨天中止による代替試合を除く)を迎える。現在、パが35勝32敗でリード。パ首位のソフトバンクは、交流戦の勝率1位を争う阪神と本拠地で3連戦を戦う。また、広島は昨季新人王の大瀬良大地投手(23)をリリーフに配置転換し、リーグ戦再開に向け、巻き返しを図る。

 開幕前は優勝候補と目されながら、借金7で最下位に低迷する広島。逆襲への切り札として、首脳陣は大瀬良のリリーフへの思い切った配置転換を決めた。西武3連戦からブルペン待機する見込みだ。

 西武戦で先発が予定される前田健と野村はこの日、移動前にマツダスタジアムで練習したが、そこに大瀬良の姿はなかった。代わって2軍から武内が合流した。大瀬良の配置転換を問われた畝投手コーチは「そこは分からない」と言葉を濁しながらも否定しなかった。

 昨季10勝を挙げて新人王に輝いた右腕だが、今季は開幕から勝ち運に恵まれていない。防御率3・43ながら、1勝6敗。4月7日の巨人戦(マツダ)は1―0の9回に味方の拙守から同点に追いつかれ9回1失点に抑えた同28日のDeNA戦(同)も勝ち星がつかなかった。好投すれば打線の援護がなく、打線が点を取れば大瀬良が打たれる悪循環。本人の気持ちをリセットする意味でも、首脳陣はリリーフ転向を一定の時期から検討していた。

 その背景には、勝利の方程式が固まらないチーム事情がある。チームのセーブ数11はリーグ最少。抑えは開幕時はヒース、現在は中崎が務めているが、いずれも不安を拭えないのが実情だ。大瀬良は短いイニングなら150キロ超の剛速球は威力を増し、多彩な変化球も生きる。「チームのために投げていきたい」と大瀬良。まずはセットアッパーでスタートし、機を見て守護神に抜てきするとみられる。

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