【高校野球100年】第1回大会開幕戦は広島中―鳥取中

[ 2015年6月9日 11:12 ]

高校野球100年~歴史と名シーン~

 1915年8月18日、午前8時25分。薄曇りの豊中球場で行われた第1回大会の開幕試合は広島中(現広島国泰寺)―鳥取中(現鳥取西)だった。両校ナインは本塁付近で向き合って一礼。今では当然のように行われる試合前後のあいさつだが、この時に決められた。

 記念すべき第1球(記録上は2球目)を投じたのは鳥取中・鹿田一郎投手だ。「鹿田さんが第1球を投じ、全国大会が始まったと聞きます。鳥取西はあらためて伝統ある学校と感じましたし、自分たちの代でも甲子園に行きたいと思っています」と鳥取西・平尾圭佑主将。第1回大会の話は入部説明会で歴代部長から伝えられるのが同校の慣例にもなっている。

 一方の広島国泰寺は宇治山田とともに第1回大会を最後に全国大会出場がない。「第1回大会の第1試合で敗れたわけですから宇治山田高校さんよりも、うちが一番長く全国大会から遠ざかっていると言えるのかもしれませんね」と林重憲部長は苦笑する。その大会では4番・中村隆元が9回、中堅手の頭上を越える一打で記念すべき大会第1号をランニング本塁打で記録した。45年8月6日に投下された原爆で、それまでの部資料は全て焼失したが、この大会第1号は今も現役部員やOBの誇り。4番を打つ桧山謙吾は「先輩方を誇りに思いますし、何とか自分たちの代で新しい歴史をつくりたい」と力を込めた。

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2015年6月9日のニュース