九産大3年高良16K完封!ドラ1候補に投げ勝ちプロ評価急上昇

[ 2015年6月9日 05:30 ]

<九産大・仙台大>2安打完封の九産大・高良

第64回全日本大学野球選手権第1日・1回戦 九産大3―0仙台大

(6月8日 東京ドーム)
 神宮球場と東京ドームで開幕し、1回戦6試合が行われた。2年連続出場の九産大はエース右腕・高良(たから)一輝投手(3年)が仙台大を2安打に抑え、完封一番乗り。毎回の16三振を奪った。東農大北海道オホーツクの井口和明投手(4年)も富士大から14三振を奪い、3失点完投。また、初出場の城西国際大は西南学院大をサヨナラで下し小学生まで俳優だった異色の経歴の持ち主、米谷真一投手(4年)が2失点完投勝利を挙げた。

 初回の3者三振から幕を開けた奪三振ショー。相手のバットが空を切るたびに、東京ドームのざわめきは大きくなった。大会記録にあと3つと迫る16K。ドラフト1位候補の熊原に投げ勝ち、試合の主役となった高良は「相手はかなり良い投手と聞いていたのでロースコアになると思った。100%の力で投げた。全国の舞台で通用して自信になった」と圧巻の2安打完封に胸を張った。

 「小さい頃から投げ方はほとんど変わっていない」。ゆったりとしたフォームはテークバックが小さく、球の出どころが見づらいため打者にとっては厄介だ。1四球と制球も抜群で、今春リーグ戦では防御率0・31と安定。この日は自己最速にあと2キロと迫る最速146キロの直球と、今春リーグ戦前に完投数を増やしたいと磨きをかけたスライダーを駆使した。縦のスライダー、カットボール気味に小さく曲がる2種類を使い分け、6回2死まで無安打。三振16個のうち15個を空振りで仕留めた。

 興南(沖縄)では島袋(現ソフトバンク)の2学年下で1年生だった10年夏に全国制覇。甲子園での登板機会はなかったが、大舞台の経験は生きている。昨春の今大会でも東京ドームで6回無失点と好投しており「ここは投げやすい」と笑みを浮かべた。プロの評価も急上昇で、ヤクルト・小川淳司シニアディレクターは「制球、切れが素晴らしい。来年が楽しみ」と高評価した。

 大久保哲也監督は「(2回戦の)東海大戦も、もちろん計算に入れている」と全幅の信頼を置いている。「任されたイニングをしっかり抑える」と高良。チームの過去最高成績は4強。九州のドクターKが、その右腕で歴史を塗り替える。

 ◆高良 一輝(たから・かずき)1994年(平6)6月25日、沖縄県生まれの20歳。小2から野球を始め、中学では豊見城オーシャンボーイズに所属し、3年夏に全国大会出場。興南では1年夏からベンチ入り。3年夏は沖縄大会2回戦敗退。大学では2年秋の九州大学野球選手権の決勝で日本文理大を相手にノーヒットノーランを記録。今春リーグ戦では1試合18奪三振も記録。家族は両親と姉、弟。1メートル77、77キロ。右投げ右打ち。

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