虎は赤っ恥です…巨人の新戦力・高木勇＆ポレダに６戦６敗

＜巨・神＞３回２死二、三塁、マートンは投ゴロに倒れる

セ・リーグ 阪神３―１０巨人

（5月3日 東京Ｄ）
　何回負けんねん…。阪神は３日、巨人の新人・高木勇を攻略できず、敵地２連敗に沈んだ。１―０の３回無死満塁で中軸を迎えながら、追加点を１点しか奪えなかった拙攻が最後まで響いた。前日２日に敗れたポレダと合わせて新戦力２人の登板日に６戦６敗。シーズン序盤から難敵の出現を許すようでは、１０年ぶりのＶ奪回はおぼつかない。

　完敗、いや、最後は惨敗になった。５回終了時点では３―３で均衡する息詰まる展開も、中盤以降は突き放されて終わってみれば３―１０。見所の乏しい一戦で和田監督が敗因に挙げたのは３回の拙攻だった。

　「無死満塁で１点しか取れなかったことで流れを持ってこれなかった」

　先頭打者の上本が際どいコースを見極めて１０球粘った末に四球で出塁。西岡が右前打でつなぎ、鳥谷もフルカウントから四球を選んだ無死満塁。１点リードの状況をさらに優位な展開へ持ち込む理想的な好機を作った。打線の中で最も頼れるゴメス、福留、マートンを迎え、立ち上がりから苦しんでいた高木勇を一蹴するはずだった。しかし、舞台は暗転する。

　ゴメスがフルスイングした初球は二飛。走者を１人も還せず、アウトカウントが増えただけ。続く福留の中犠飛で加点し、走者もそれぞれ進塁した２死二、三塁では徐々に不振から脱しつつあったマートンが投ゴロ。止めたバットに当たる中途半端な打撃だった。そんな消化不良の攻撃が終わった直後、同点に追いつかれるなど逆に巨人に流れを渡してしまった。

　「きょうはそんなに状態は良くなかった。見極めることもできていたけど、あそこでもう１、２点取らないと…」。あらためて高木勇の印象を問われても和田監督は再び３回の逸機を嘆いた。

　それにしても、一体、同じ相手に何度やられるのか。４月５日の初対戦では完封負け。甲子園で再戦した同１９日も７回を２得点に封じられた。幸先よく先制した３度目の対決も３得点どまり…。高木勇が先発した試合では３戦３敗。前日のポレダには３連敗を喫しており、新加入コンビには６戦６敗という惨状だ。

　「両サイドにボールが来ていたよ」

　打点を稼ぎそこねたゴメスは、力なく振り返った。５回の２死一、三塁でも二直に倒れ、７試合連続安打で止まったマートンは試合後の球場通路に姿を現すとイライラぶりが最高潮。頭からすっぽりタオルをかぶり、放送禁止用語を連発しながら宿舎へ急いだ。４連勝で勢いづけて乗り込みながら、まさか、まさかの敵地２連敗。借金３へ逆戻りとなり、完済は先送りとなった。