イチがドジ踏んだ…ベース踏み忘れアウト 野球人生初の珍事

[ 2015年5月4日 05:30 ]

<マーリンズ・フィリーズ>(右から)2回、一塁走者のイチローはエチャバリアの初球に好スタートを切り、右前への打球を二塁ベースを踏みながら確認 一塁へ戻りかけ、安打と分かると二塁ベースを踏まずに三塁へ進むがアウトとなる

ナ・リーグ マーリンズ7―0フィリーズ

(5月2日 マイアミ)
 やっちまった――。マーリンズのイチロー外野手(41)が2日(日本時間3日)、野球人生初めての走塁ミスを犯した。フィリーズ戦の2回無死一塁で、次打者が右前打を放ったが、二塁到達後、打球確認のために一塁ベース側へ2歩ほど戻り、そこから再び二塁ベースを踏むことなく三塁に到達した。相手のアピールでアウトに。チームは4連勝で勝率5割に復帰したが、まさかの凡ミスにイチローも苦笑いするしかなかった。

 弘法筆を誤り、河童(かっぱ)も川を流れれば、イチローもベースを踏み忘れる。信じられないコールに、両指でこめかみを突いてキョトン。三塁到達から約1分後だ。プレーが再開され、投手ハメルズが二塁へ送球すると、塁審はアウトを宣告した。

 2回先頭で左前打を放った。次打者の初球、二盗成功を確信する会心のスタートを切った。これが伏線。「混乱しましたね。あのタイミングでスタートして、まさか打つとは…。まず(打つ)音が聞こえたから」。セオリーなら打者は見逃して無死二塁のはずが、エチャバリアは外角球をスイング。力ない打球が右前へポトリと落ちた。

 「(打球は)見えていなかったですね」。スタートを切っていたため二塁に到達したイチローは、打球確認のため2歩ほど一塁側へステップを切った。安打なのを視認し、俊敏な反転から三塁へ加速。この時に二塁ベースを踏まずに、ショートカットして三塁に向かってしまったのだ。

 「何が起こったか分からないが(二塁)ベースは(一度)踏んでいる。でも(一塁に)戻った感覚はそんなになくて」

 無死一、三塁で先制の絶好機のはずが、1死一塁から再開。だが、後続がこの回3点を挙げ、試合も7―0で大勝し、致命的なミスとはならなかった。同じ轍(てつ)は踏まないためにも「初歩的と言えば初歩的なことなのでね。松井(秀喜)スペシャルアドバイザーとジーターの野球教室、お願いしまぁーす」。ミスは潔く認め、照れ隠しに笑い飛ばした。

 これで11試合連続先発出場。ただ、軽度の腰のヘルニアで故障者リスト入りした正左翼手イエリチは、7日(同8日)のジャイアンツ戦からの復帰に意欲を示す。マイク・レドモンド監督にとっては悩みの種で、復帰後のイチローの起用法を問われ「考えないといけないな」と即答を避けた。

 その11試合で9勝2敗とし、最大8あった借金を完済し地区単独2位に浮上した。「落としちゃいけない試合をものにしているということ」と冷静なイチロー。通算得点の節目の記録あり、感涙の1号アーチあり、珍プレーあり。41歳の存在は欠かせなくなっている。

 ◆野球規則7・02 走者は進塁するにあたり、一塁、二塁、三塁、本塁の順序に従って、各塁に触れなければならない。逆走しなければならないときも、ボールデッドとなっていない限り、全ての塁を逆の順序で、再度触れて行かなければならない。ボールデッドの際は、途中の塁を踏まないで、直接元の塁に帰ることは差し支えない。

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